第33話 見たよ~!
「で、俺に何か用ですか?斉藤心愛先輩?」
「なんでフルネームなの!?っていうかなんかちょっと冷たくないかな!?」
家に着く直前、突然先輩に話しかけられた。
「ソ、ソンナコトナイデスヨ。
センパイニアエテウレシイナ」
「なんでロボットみたいになってるの!?」
「で、こんな所で何やってるんですか?」
「き、急に話に戻るんだね。今日は友達とショッピングモールにお出かけしてたんだよね。で、今は帰ってたところだったんだ~。そしたら後輩くんを見かけたから声かけたんだ~!」
「なるほど。ではまた学校で」
「ち、ちょっと~!せっかく会ったんだし少しお話しようよ~!」
「え~…」
「その反応めちゃくちゃ傷付くんだけど!」
「半分冗談ですよ」
「そっかぁ~…って半分本気って事じゃんか~!」
そう言いながら先輩は俺の肩をポカポカ叩いてきた。全く痛くはないが。
「立ち話もなんですし、カフェでも行きますか?」
「時間大丈夫なの?帰る所だったんじゃないの?」
「帰ってもどうせする事ないですから。ぜひ可愛い先輩とお話させて下さい」
「せ、先輩をからかうのはやめなさいっ!」
「からかったのはすみません。でも可愛いっていうのはマジですから」
「ほ、ほらカフェ行くよっ!」
先輩は顔を真っ赤にしながら歩きだした。
…まぁ、俺の顔も赤いんだろうな、多分。
どこぞのラブコメ主人公みたいな事を言って恥ずかしくないわけないじゃん!
そんなこんなで数分歩きカフェに到着した。
俺はホットコーヒー、心愛先輩はホットココアを注文して席についた。
(心愛だけにココアですかって言いたいな…)
「ねぇ、何か失礼な事考えてない?」
「え?…考えてないですよ!」
「ふーん…何か変な間があったよね?」
「き、気のせいですって!」
「ならいいんだけどさ~」
(あっぶね!余計な事言わなくて良かった~)
「あ!そういえば見たよ~!」
「え?何を見たんですか?」
「今日、彼女とデートしてたでしょ?」
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