第30話 選んでくれる?2
咲と桜の洋服選びをする事になった。
とりあえず咲の洋服から見ようとしていたのだが、桜が正人を引っ張っていったので、咲と二人きりになった。
「二人きりだねっ♪和樹!」
「そうだな」
「それじゃあ行こっか!」
「おう」
「出かける時の洋服を見てほしいって言ってたよな」
「うん。和樹と出かける時に着て行きたいなって思ってるから可愛いと思ったのがあったら教えてほしいんだ~♪」
「ま、咲なら何着ても似合うと思うけどな」
「もう~!適当な事言ってないでちゃんと見てよ~!」
「分かってるって」
俺達は若者向けっぽい洋服がたくさん並んでいる服屋へやってきた。
「これとかどうかな?」
「お~!可愛いんじゃないか」
「これは?」
「似合ってると思うぞ」
「もう~!どれも同じ反応ばっかじゃん!」
「しょうがねぇだろ、どれも似合ってて可愛いと思ったし」
「そう言ってくれるのは嬉しいけど~!」
俺達がそんな会話をしていると、店員のお姉さんが近づいてきた。
「いらっしゃいませ~!今日はデートです
か?」
「そうなんです~♪今日は彼に服を選んでもらおうと思って~!」
「そうなんですか!可愛い彼女さんですね!」
店員のお姉さんが俺に向かってそう言ってきた。厳密には彼女ではないが、話を合わせるとしよう。
「はい。俺にはもったいないぐらい可愛い彼女なんですよ~」
…自分で言っておいてなんだが、めっちゃ恥ずかしいな。店員のお姉さんはニヤニヤしてるし。
「なにかありましたら声かけて下さいね~」
そう言うと店員のお姉さんは離れていった。
「…もう和樹ってばこっちまで恥ずかしくなるような事言わないでよ~」
「咲が彼氏って言ったから合わせて言ったんだが…想像以上に恥ずかしかったわ」
「…だね」
「ま、まぁとりあえず咲の洋服選びを続けようぜ」
「うんっ!」
それから俺達は、他のお店も何店舗か見て回った後、最初に見に来たお店に戻ってきた。
「じゃあこれにするね!」
「おう。あ、その服ちょっと貸してくれないか?」
「ん?はい」
「ちょっと待っててくれ」
「え?どこ行くのー?」
咲から服を受け取りそのままレジへと持っていった。
「お買い上げありがとうございます。楽しいデートになるといいですねっ♪」
「…ハハッ。ありがとうございます」
「お待たせ~」
「どこ行ったのかと思ったよ~。服買ってくるから返してー」
「おう」
俺は袋に入った服を咲に渡した。
「…え、これ。お会計は?」
「もうしてあるよ。俺からのプレゼントって事で受け取ってくれるか?」
「さっきぬいぐるみもらったけど…」
「あれはまた別件だからな。その服着た咲と出かけるの楽しみにしてるぞ!」
「ありがとう、和樹っ!一緒にお出かけするの私も楽しみにしてるからねっ♪」
「まぁ、今も一緒に出かけてるけどな」
俺がそう言うと咲は俺の耳元に顔を近付けてきた。
「今度は二人でお出かけしようね?」
「…お、おう」
「お~い!そこにいたのかー」
正人が元気よくこちらにやってきた。
「服選びは終わったのかい?」
「まぁな。正人達はなに見てたんだ?」
「新作のフィギュアが出ていてね。委員長と楽しく見ていたよ」
…なるほど。どうりで桜がゾンビみたいになってるわけだ。
「よし!じゃあ委員長の服を見に行こうか。次は僕も一緒に…」
正人は今度は咲に引っ張られていった。
「…じゃあ行きましょうか」
「おう」
こうして今度は桜と二人で服選びがスタートしたのだった。
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