第27話 ゲームセンター

俺達は電車に乗ってショッピングモールにやってきた。


「最初は何する~?」

「俺は何でもいいぞ」

「私も何からでも構わないわ」

「はいっ!僕はゲームセンターに行きたいですっ!」

正人の意見で最初にゲームセンターに行く事にした。


「うわ~!大きいね~♪」

「だな~」

ショッピングモールの中に入っているとは思えないぐらい大きなゲームセンターだった。


「咲はゲーセンよく来るのか?」

「最近は全然来てないよ~」

「そうなのか。委員長は?」

「私もほとんど来ないわ。あなたは?」

「あ~…俺はここじゃないけど数日前にゲーセンに行ったわ」

「一人で来たの?」

桜の視線が鋭いんだが…。咲もジーっと俺の事を見つめてくる。…怖いよ!

「…先輩と一緒に来たんだ」

「…先輩かぁ」「先輩…ね」


「四人でレースゲームやろうー!」

「お!いいな、正人!」

なんとか会話を終了させて四人でレースゲームをやる事にした。


結果は一位が桜、二位が咲、三位が正人、

最下位が俺だった。

途中までは俺が一位だったのだが、後ろから咲と桜に集中攻撃をこれでもかと言うぐらい受けてしまい最下位に転落した。ちなみに、正人も途中までは二位だったのだが、俺が受けていた集中攻撃に巻き込まれて三位になった。ごめんな、正人!

「いや~!女子二人がスゴかったね、和樹!」

「…だな」

俺はプレイしている時二人から謎の圧を感じて怖かった、マジで。


俺達がそんな会話をしている間に、咲と桜はクレーンゲームの方に行っていた。


「これ可愛い~♪」「本当ね」

咲と桜がなにやら盛りあがっている。

「気になるものでもあったのか?」


「和樹も見てよ~!すごく可愛いから!」

咲に言われてクレーンゲームの中を覗いてみると…あれ?これ見覚えあるぞ。

思い出した!心愛先輩が可愛いって言ってた猫のぬいぐるみじゃん!

「これ人気なのか?」

「そうだよっ!癒されるってスゴい人気なんだよっ!」

「へー」

ちなみに正人は自分が興味のあるアニラのフィギュアがあったとか言って向こうのクレーンゲームコーナーに行ってしまった。

…本当に恋愛ゲームの主人公なのか疑いたくなるほど自由行動してるな~。


「良かったらこれ取ろうか?」

「え!和樹クレーンゲーム得意なの?」

「これならなんとか取れると思う」

一回目は失敗したが二回目で無事ゲットする事が出来た。

「ほら」

「もらっていいの?」

「勉強会で世話になったからな」

「ありがとう~!大切にするっ!」

「おう。咲、ちょっといいか?」

「うん?……了解♪」

咲は正人の方へ向かって行った。


「桜、ちょっといいか?」

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