第26話 出発

土曜日。今日は皆と出かける日だ。

集合時間は十時だ。だが以前、咲や桜と出かけた時に二人ともめちゃくちゃ早く来ていたからな。今日は早めに行くとするか。


そして現在の時刻は九時。集合より一時間早く到着している。


…よし。さすがに誰も来ていないな。

「おはよう…和樹君」

「うぉぉ!?」

「なんて声出してるのよ」

「まだ誰も来ていないと思ってたからさ。急に声かけられてビックリしたよ。もしかして俺より早く来てたのか?」

「違うわよ。今来た所。ずいぶん早いのね」

「皆を待たせるのも悪いからな」


「まだ集合一時間前よ?」

「…だな。っていうか桜も早いじゃんか?」

「私は…早く起きたからよ」

「なるほど」


「あれ二人とももう来てたの?」

十五分ほどしてから咲がやってきた。


「私は早く起きたから」

「あ~…俺は皆を待たせたら悪いかと思ってな」

「二人とも出かけるのすごく楽しみにしてたんだねっ♪今日は楽しも~ね!」


「あ、咲」

「ん?どうしたの?」

「今日の格好似合ってるぞ」

「ありがと、和樹♪」

今日の咲の服装はギャルっぽさを抑えた清楚な印象がある。これはこれで非常に似合っている。


桜がジーっと無言でこちらを見てくる。

…しまった。咲の格好だけ誉めちまったよ!


「委員長の格好も似合ってるぞ」

「…ありがとう。お世辞でも嬉しいわ」

委員長がちょっとツンとしている。怒らせた俺が言ってはいけないと思うが、ちょっと可愛い。

「あれ!皆もう来てたんだ!」

桜の機嫌を損ねてしまって俺が焦っていると正人がやってきた。


「よーし!じゃあ出発しようか!」

…正人は今日もテンション高いなぁ。


俺達はショッピングモールに向かうため電車に乗るのだった。

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