第21話 ご褒美

咲や桜と出かけた日から数日後。

テストの日がやってきた。


「う~…。緊張してきた~」

「咲は大丈夫だろ。不安なのは俺だよ…。」


咲や桜、正人と勉強会を行ってきたが、正直最後の方は俺が三人に教えてもらうみたいな形になっていた。

なので一番不安なのは俺だ…。


「…頑張ろうね~」

いつもはテンションが高い咲も今日は低いな…。

「…おう」


「二人ともおはよう!」

後ろからハイテンションな声が聞こえてきた。

「…おはよう正人」

「…おはよう」

「二人ともなんでそんなにテンション低いんだ?」

「逆になんでそんなにテンション高いんだよ、お前は?」


「みんなでしっかり勉強したじゃないか!

自信持っていこうよ!」

正人の自信を少しでいいから分けてほしいぜ…。


「あ!テストが終わったら勉強会メンバーでどこか遊びにいこうよ!」


「…ああ」

「…うん」


「じゃあ僕は先に行ってるね!」

そう言うと正人は走り去っていった。


「…元気だよなぁ、あいつ」

「そうだね~…ねぇ、和樹」

「ん?」

「勉強会メンバーで遊びに行くのもいいんだけどさ…もしテストの点数悪くなかったら、ご褒美にどこか二人で遊びに行かない?」

「まぁ、俺の方がテストの点数は心配なんだけどな…。二人の点数がそこまで悪くなかったら遊びに行こうぜ」


「うん!しっかりね、和樹!」

「お、おう」

咲のテンションが急に上がったんだが。


学校に着いて自分のクラスに入り、席に座った途端、桜に話しかけられた。


「落ち着いて問題解きなさいよ。

あなたちゃんと出来てるんだから」

「あぁ、ありがとうな。そういえば正人が、テスト終わったら勉強会メンバーでどこか遊びに行こうって言ってたぜ」


「いいんじゃないかしら。楽しみにしておくわ。その…それとは別に、もし二人ともテストの点数が悪くなかったらご、ご褒美に二人でどこか出かけましょう!」

「お、おお…」

桜は気合いを入れ直して自分の席に戻っていった。


俺も気合い入れないとな。


勉強会の成果をしっかり出すべく、テストに臨むのだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る