第15話 驚いた
朝話した時、委員長が俺の顔を全く見ない事が少し気になった俺は休み時間に話しかけてみる事にした。
「委員長ちょっといいか?」
「…どうしたの?」
「少し話がしたいんだが」
「…ちょっと移動しましょうか」
「助かる…。」
俺が委員長に話しかけた事で、周りの視線が一気にこちらに集中したので委員長が気をつかってくれたようだ。
廊下を少し移動して誰も居なさそうな所までやってきた。
「なぁ、委員長。朝から気になってたんだけどさ。なんで俺の顔を全く見ないんだ?」
「そ、そんな事はないわよ。あなたの勘違いじゃないかしら…。」
「今も俺の顔見ないじゃん」
「み、見てるわよ!」
委員長は顔を真っ赤にしながら俺の顔を見てきた。
「あ~…もしかして昨日のやつ思い出してまた恥ずかしくなってるのか?」
「す、ストレートに言わないでよ。
…まぁ、そうなのだけれど。」
「俺またなんかやっちまったかと心配してたんだぜ。」
「…気にかけてくれたのね」
「当然だろ…」
「フフッ…。ありがとう」
「…おう」
「あなた、顔赤いわよ?」
「…言わないで頂けますかね?」
「さ、もう休み時間が終わるし戻りましょう。」
「…あぁ」
教室に戻る時にはいつもの感じに戻っていたし、まぁ話せて良かった。
そして、昼休み。
「で、結局勉強会は三人でやる事になったわ~」
「そうなんだ~。まぁ私は和樹が居ればそれでオッケーだけどね~♪」
「ハハ…」
そして、放課後。
「じゃあ今日からよろしくな、咲!」
「よろしくね~♪」
「…よろしく」
「…委員長さんもよろしくね~」
若干空気が重いが、まぁ許容の範囲内だな。
「今日もファミレスでいいか?」
「ええ」「オッケーだよ♪」
そして、ファミレスに向かっていたのだが、
咲が腕を組んできたので、そのまま歩いていたのだが、委員長がずっと氷のような視線を向けてきていた。…うん、怖い。
ファミレスに着いた後は、意外にも普通に勉強会が始まった。正直、どんな感じになるのか分からなかったのでこれは非常に嬉しい誤算だった。
そして、驚いたのが咲の勉強力だった。
正直、そこまで勉強は出来ないんだろうと思っていたのだが、基礎はほぼ出来ているし、
応用も委員長にしっかり質問して解けるようになっていた。
…あれ?もしかして俺が一番勉強出来てないんじゃね?…ヤバいぞ!
そこから一心不乱に勉強したのであっという間に帰る時間になった。
「今日はありがとうね、委員長♪
また明日からよろしく~!」
「ええ、こちらこそ」
…なんか二人仲良くなってる。よしよし。
「じゃあ私はこっちだから。あなたは咲さんを送って行ってあげて」
「私は家まで近いから。和樹のエスコートは委員長に譲ってあげる♪」
「…という事らしい。今日も一緒に行くわ」
「ありがとう。じゃあお言葉に甘えるわ」
「また明日ね~!」
咲は綺麗な金髪を揺らしながら歩いていった。
「じゃあ俺達も行くか」
「…ええ」
それからしばらく歩いていた時だった。
「…ねぇ」
「ん?」
「…私の事はな、名前で呼んでくれないのかしら?」
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