第8話 委員長との勉強会

翌日の放課後。

咲にはしばらく一緒に帰れないと伝えてある。めちゃくちゃしょんぼりしていたので

今度どこかに遊びに行こうと言ってなんとか

機嫌を直してもらった。


「どこで勉強するんだ?」 

「図書室はどうかしら」

「いいんじゃねえか」


図書室に向かったのだが…。

「席空いてないな…」

「そうね…」

「違う所でやるとして…ファミレスでも行くか?勉強教えてもらうんだしドリンクバーぐらいなら奢るぜ」

「気持ちだけもらっておくわ。じゃあファミレスに行きましょう」


ファミレスに到着した。

「森本君は苦手な科目は何かしら?」

「…そうだな。理数系が苦手だ」

「そう。なら理数系から手をつけていきましょうか」

「ああ、頼む」


それから委員長は基礎的な所からすごく丁寧に教えてくれた。

「委員長、教えるのめっちゃ上手いな」

「そうかしら?」

「ああ。先生より分かりやすかったぞ」

「それなら良かったわ」

「俺が教えてもらうだけの勉強会になっちまって悪いな」

「平気よ。私もしっかり復習ができたし」


結構集中してやっていたので気づけば外が

暗くなってきていた。


「今日はこの辺にしとくか。暗くなってきたし」

「そうね。ちゃんと家に帰っても勉強するのよ」

「おう、分かってるよ」


「それじゃあまた明日」

「あ!待ってくれ、委員長!」

「どうしたの?」

「家まで送らせてくれねぇか?」

「え?」

「もう暗いしさ」

「ここからそんなに距離も遠くないから大丈夫よ」

「まぁそう言うなって!委員長可愛いから襲われちまうかもしれないだろ?」 

「…か、からかわないでもらえる?」 

委員長が顔を真っ赤にしている。

…ヤバい、怒らせたか?


「と、とにかく心配だし送らせてくれ」

「…じゃあお願いするわ」


それからしばらく歩くと委員長の家に到着した。

「ここよ。送ってくれてありがとう」

「おう。また明日も頼むな!」

「ええ、おやすみなさい」

「おやすみ~」


そう言って歩きだそうとした時だった。

「桜ちゃん!お友達?」

ピンクの髪の女の人が声をかけてきた。

「お母さん!どこか行ってたの?」」

「ちょっとご近所さんの所にね~♪

それより珍しいじゃない!あなたが男の子と一緒にいるなんて!もしかして彼氏さん?」


「ち、違うから!じゃあね、森本君!」

「お、おう…」


「あっ!ちょっと待って!」

委員長のお母さんが話しかけてきた。

「は、はい?」

「良かったら家に寄っていってくれない?」

「ち、ちょっとお母さん…!」

「い、いや~…ご迷惑なんじゃ…」

「そんな事ないわよ!色々話も聞かせてちょうだい♪」


俺は委員長のお母さんに腕を引っ張られながらそのまま家にお邪魔する事になったのだった。

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