第2話 ヤバくね?
「あれ~?今日は朝からちゃんと来たんだ?」
玄関に到着すると突然ギャルっぽい子に話しかけられた。
…まただ。見覚えはあるんだよな。
金髪ロング、身長は高め出る所は出てると。
制服もちょっと改造してあるみたいだ。転生前の俺ならまず関わっていないタイプだな。
「おはよー」
「アハハハッ!おはよーってどうしたの?
何か変な物でも食べたの?」
…えぇ~。普通に挨拶しただけでこの反応になってるって普段どんな感じに過ごしてたんだよ。こいつ。
「変な物は食ってねぇよ。それよりちょっと聞きたい事があるんだけどいいか?」
「ん?どうしたの?」
「俺って何組だったっけ?」
「朝からちゃんと来たと思ったらまだ寝ぼけてるの~」
そう言うとギャルっぽい女の子は突然俺の右腕に自分の腕を絡めてきた。
「仕方ないから私が連れてってあげる~」
腕を絡めたまま階段を上っているのだが、
柔らかいモノが動く度に腕に当たって非常に
やりづらい。
それにすれ違う生徒達からめっちゃ注目されてしまってるんだが!
まぁ金髪同士でただでさえ目立ってるし、
このギャルっぽい子は顔も可愛いからなぁ。
当然ではあるか。
そんな事を考えながら歩いているとギャルっぽい子が立ち止まった。
「とうちゃーく!ここだよー!」
着いたクラスは一年二組。ってかこの金髪男子一年生だったのか。
「ありがとうな。君は何組なの?」
「もう、その変なキャラマジなんなのー!
私は隣のクラスだよ!」
「そ、そうだったな」
「じゃまた後でね~!」
そう言うとギャルっぽい子は手を振りながら隣のクラスに入っていった。
俺は自分のクラスに入った。
…ん?何か違和感を感じる。さっきまで騒がしかったのに俺がクラスに入った途端氷河期を迎えたみたいにクラスメイトが固まっているんだが。
「なぁ、ちょっと聞きたいんだが俺の席ってどこ…」
「そ、そこですぅぅ…!」
近くの男子に席を聞いたのだが、答えてくれた男子は涙目になっている。
…待ってくれ。こいつそんな怖いやつなの?
うーん。絶対何か問題とか起こしてそうだよな。
とりあえず一番後ろの席だったのでそこは良かったな。
「森本君ちょっと良いかしら?」
俺が席に着いてちょっと現実逃避しかけてる時そんな声が聞こえてきた。
寝たふりをしているだけなので声はしっかり聞こえている。
「森本君、森本君てば!」
早く返事しろよ、森本君。ってか森本君がどんな顔か見てやろう。そう思い、顔を上げてみた。
…え?目の前に女の子がいるんだが。
「やっと起きた。今日提出の課題集めるように先生から言われてるんだけどちゃんとやってきた?」
「あ~…やってない」
「今日中に出さないと先生に怒られるわよ」
「な、なぁちょっといいか?」
「どうしたのよ?」
「森本君って俺の事?」
「他に誰がいるのよ。全く珍しく朝から来たと思ったらまだ寝ぼけてるのね」
…森本って名前だったのね。この金髪男子。
「ち、ちょっと寝不足でな。呼び止めて悪かった」
「課題やらないとダメよ」
「あ、ああ」
女の子は課題を持って職員室に向かっていった。
「委員長さぁ、よく森本に話しかけられるよなぁ」
ひそひそとクラスメイトが話をしているのが聞こえてきた。というか今の女の子委員長だったのか。
委員長という風貌じゃなかった。
だってさ、髪の色ピンクだったよ!
アニメとかに出てくる女の子だよ、あれ。
金髪やらピンク髪やらがオッケーってどんな学校なんだよ。
教室内を見回して思った。
あれ?なんか見覚えあるぞ、この景色。
「おはよう!」
爽やかな風貌の男子がクラスに入ってきた。
ん?あいつは…?
…桜田正人?いや、まだそうと決まったわけじゃない。様子をみよう。
「お~正人!おはよう」「おはよ~桜田」
…はい!確定でした~。
桜田正人がいるって事は……!
もしかしてここは以前俺がプレイしていた恋愛ゲームの世界なんじゃね?
えーーー!!桜田正人がゲームの主人公だったはずなんですけどー!!
この金髪の男誰なんだよ!ゲームに出て来てた記憶が全くないんだが。
え?主人公に転生じゃないの普通?
せめて悪役とかにしてよ!
名前も分からないやつに転生ってなんじゃこりゃ?
こういう時ってゲームの知識を使って~とか
だと思うんだよ。一般的にね。
でも俺このゲームまともにプレイしてないからイベントとか流れとかが全く分からないんですけど!?
ヤバくね?
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます