恋愛ゲームのキャラに転生した!?主人公かと思ったらモブの不良キャラかよ~!
モッピー
第1話 誰?
目が覚めると見知らぬ天井だった。
「え…?どこだ、ここ」
体を起こして、部屋の中を見回してみるも
全く見覚えがない。
部屋を出て一階のリビングへ向かうとメモ書きが置かれていた。
「今日も仕事で帰り遅くなります。これで何か食べておいて下さい。母より」
横に千円札が二枚置かれている。
…待ってくれ!母って誰やねん。そもそも俺の母は専業主婦のはずなんだが。
ここが何処かもよく分からないし。
よし、ちょっとここで記憶を整理してみようか。確か俺は学校が終わって下校してたはず
だ。で、信号待ちをしていたんだったな。
あ、思い出したぞ!確かトラックがこっちに突っ込んで来たんだ!
その後意識が無くなったんだよな。
あれ?もしかして夢だったのか?ならここは誰の家なんだ?あ~!もうワケわからん!
顔でも洗って落ち着こうと思い洗面所に向かったのだが…。
え?待って待って待って!
鏡に映っているこの顔は誰?
金髪だしピアスはあけてるし!顔は、なんかちょっとカッコいいけどさ!
まず俺は黒髪だったはずだし、ピアスもあけてない。
それに身長ももう少し低かったんだが。
…まさかこれは転生というやつなのか。
転生といえば神様みたいな人が出てきて、
チート能力を授けてくれたりするものなんじゃないのか?
え、もしかしてそういうの一切無いのか?
っていうかこの金髪の人マジで誰なの?
名前も分からないんだけどー!
…自分の部屋に戻ってきた。なんか制服がある。って事はこの金髪の人は学生なのか?
高校生かな?はぁ~。情報が何も無いよ…。
頭が爆発しそうだが、カレンダーを見てみると今日は平日の朝。
この金髪の人の情報を集めるためにも学校に行ってみるしかないか。
とりあえず制服を着て外に出たのだが…。
「なんかこの景色見覚えあるような気がするんだよな~」
歩いた事もないはずなのだが、なんとなく道を歩いていると同じ制服の人達がちらほら周りを歩いているのが目に入った。
「道はここで合ってるみたいだな」
そのまましばらく道を歩いていた時だった。
「や、やめて下さい」
横道の方からそんな声が聞こえた気がした。
俺の空耳である事を祈りながら声がしたっぽい方に向かうと…最悪だ、いるよ。
嫌がっている女の子と詰め寄る男二人が。
「一緒に楽しい事しようぜ~」
「そうそう!一緒に気持ち良くなろうぜ~」
…はぁ~。何、このありきたりなやつ。
えっと、これは俺が止めに入らないといけないやつなんだよね?
そもそもこの金髪の人の見た目で止めに入ったら逆に怖がれるんじゃね?とか色々考えてみたがとりあえず止めに入る事にした。
「おい」
「「あ?」」
男は二人ともこちらに振り返ってきた。
「朝からナンパなんかしてんじゃねぇよ」
「誰なんだよ、お前は!」
…俺が聞きたいよ。マジで。
「通りすがりの高校生?かな」
「ナメてんのか!こらぁ!」
あぁ、もう帰りたいよ~!
殴りかかってきたので、腕を掴んで捻ってあげた。
「イテテテテ!!」
「ナンパ辞めるなら離してあげるよ?」
「わ、わかった!イテテテテ!」
掴んでいた腕を離すと男達は走り去っていった。
マジで朝からダルいわ。こっちは名前も分からないやつに転生してるんだぞ!
遅刻しても困るので元の道に戻ろうとした時だった。
「あ、あのっ」
「ん?」
ヤベっ!女の子の存在忘れてたよ。
「助けて下さってありがとうございました!」
「いえ。全然大した事はしてないので」
「何かお礼をさせてもらえませんか?」
「それじゃあ一ついいか?」
「はいっ」
こういう時にお礼何もしなくていいと言っても、言うまでしつこく言われる場合があるので言っておこうと思う。
「人通りの少ない所はなるべく歩かないようにしてくれよ。じゃねぇとあんた可愛いんだからまたナンパされちまうぞ」
…よし。金髪のこの見た目ならこんな言い方が妥当だろう。正解は分からないが。
「は…はいっ!き、気をつけますっ!」
顔が真っ赤になって俯いてしまったが俺の言いたい事は伝わっただろう。
「じゃ、俺はこれで」
「あ、あのっ」
「ん?」
「お名前お聞きしてもいいですか?」
…俺も知らないんだよ。何しろさっき転生したばっかりだからね!なんて言えるわけない。
「また今度会えた時にな」
多少強引ではあったが、なんとか会話を終了して元の道へと歩きだした。
…まぁ背中にめちゃくちゃ視線を感じたが。
にしても、今の女の子どっかで見た事ある気がするんだよなぁ。
茶髪でセミロング、身長は平均より低めで少し垂れ目、出る所は出てる。
男に人気ありそうだよなー。
まぁ、もう会う事もないだろう。
「あの人最初はちょっと怖そうだなと思ったけど優しくてカッコ良かったな。また会えたらいいな~」
横道から戻って数分歩いた後、学校に到着した。
とりあえず職員室に行くとするか。何年生なのかそれすら分かってないからな。
そう思いながら玄関に入った時だった。
「あれ~?今日はちゃんと朝から来たんだ?」
ギャルっぽい子に話しかけられたのだった。
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