第三章 蛍の悲劇
山狩り
「昴君。最近、全然、連絡くれないけど、元気でやっているの?」
支度を終えて出かけようとしているところに電話があった。また母だ。まったく、何時も間の悪い時に電話をかけてくる。
「今から出かけるところなんだ。知っているだろう?今、忙しいんだよ」
「七軒屋の事件ね。どうなの? 片付きそう?」
「詳しいことは話せないことを知っているだろう」
母だって警察官の妻だ。
「頑張り過ぎないでね」
「そうは行かないよ。初めて大事件だ。毎日がそれこそあっという間に過ぎて行くんだ」
「張り切っているのね。でもね、例えあなたが出来なくったって、周りにいっぱい経験豊富な先輩がいるんだから、任せちゃって大丈夫だからね。良い。一人で抱え込まないこと」
「そんなこと、言われなくても分かっているよ。じゃあね。もう出かけるから」
そう言って電話を切った。僕だって頑張りたい。僕にだって出来るってことを証明したい。
――大丈夫さ。君にだって出来るよ。
広大君はいつも僕の味方だ。
相変わらず心配性で困るよ。
――君が心配をかけるからさ。
でも、昨日の隈井さんの告白、強烈だったね。
――そうだね。昴君、何故、隈井さんがあんな告白をしたのか分かる?
えっ⁉どういうこと? たまたま僕が美緒さんを案内したからだろう。
――馬鹿だなあ~昴君は。
君までそんなこと言うのかい? 分かっているのなら教えてよ。
――隈井さんはね。昴君から相談が来るのを待っているのさ。待って、待って、それでも何も言って来ない。だから、ああして自分の秘密を敢えて君に打ち明けたのさ。恥を忍んでね。ほら、こうして素直になれば良いのさって、身をもって示したんだ。俺は待っているよ。君が秘密を打ち明けてくれるのを。そう言いたいんだよ。
僕の秘密?
――僕と昴君のことさ。
僕と広大君のこと? それは・・・そんなことを誰かに言えば、僕は周囲から白い目で見られてしまう。頭のおかしな人間だと思われてしまう。隈井さんだって、そう思うかもしれない。今の関係が壊れてしまうのは嫌だ。いや、それだけでは済まない。情緒不安定を理由に警察官の職を免じられてしまうかもしれない。そんなの嫌だ。今まで何に対しても執着を感じたことなどなかったが、今、僕はもう少し刑事でいたい。
――僕は、あれは隈井さんからのサインだったと思う。だったら全てを打ち明けて大丈夫のはずだ。隈井さんを信じてあげなよ。きっと悪いようにはしないさ。
広大君はそう言うが、親にさえ打ち明けたことのない秘密だ。そんな秘密を誰かに打ち明けるなんて、僕にそんな勇気などない。
七軒屋で山狩りが行われることになった。
警察に消防、それに七軒屋に程近い麓村の青年団により山狩り部隊が組織された。行方不明の首藤医師と服部由紀さんを捜索するためだ。
診療所を拠点に部隊を二つに分けて山狩りが行われる。七軒屋を孤立させている谷を底まで下り、谷底を捜索するAチームと入田家から山道を進み山奥を捜索するBチームに分けられた。
山狩りがスタートした。
僕と隈井さんは比較的楽なBチームに配属された。急斜面を下って、谷底を進むAチームには危険が伴う。経験豊富な人たちに任せた方が良い。
山狩りのAチームには三苫巡査部長が含まれていた。
「三苫巡査部長はAチームですね。ご苦労様です」と声をかけると、「ああ、嶽刑事」と満面の笑顔を向けた。そして、近づいてくると顔を寄せて、人差し指でずり落ちてきた眼鏡を上げながら言った。「あれからずっと考えていたんですけどね」
「何を考えていたのです?」
「今回の事件の犯人。クマゼコじゃありませんよ」
何を言うのかと思ったら、そんなことを考えていたのだ。
「僕もクマゼコじゃないと思っています」と傷跡が五つあることが不自然だという話をした。
「ああ~なるほど。そうか、そうですね。確かに傷跡が五つあるってことは、六本爪だったということになって、クマゼコじゃなくなってしまいますね」
三苫巡査部長は「なるほど、なるほど」と何度も頷いてくれた。
「三苫巡査部長は何故、クマゼコの仕業ではないと思ったのですか?」
「ああ。ほら、クマゼコは子供しか襲わないでしょう。今回の被害者はみな、大人です。だから、クマゼコが犯人じゃないと思いました」
「はあ~」と僕が感心した時、「Aチームは出発します~!」と号令がかかった。
「あっ、行かなきゃあ。じゃあ、これで。嶽刑事、頑張ってくださいね」と三苫巡査部長は大きく手を振りながら駆けて行った。
――面白い人だね。
憎めない人だ。
Bチームも出発することになった。
診療所から村の幹道と言える農道を登ってゆくと、入田家の門前に行き着く。ここが村の外れだ。かつては宗家と呼ばれた村の支配者の家だ。村を一望できる抜群の眺望だ。
「壱の屋をもう少し詳しく調べてみよう。何か見落としがあるかもしれない」
「はい」僕らはBチームから離れ、入田家を調べなおすことにした。
「お邪魔します」入田家に入る。
梅雨時とあって、部屋の中は蒸し暑かった。土間から続く広い応接間に足を踏み入れる。畳の上に物が散乱している。畳がはがされ、床板が破壊されている箇所がある。壁に幾つも穴が空いていた。
まるで、クマゼコが暴れまわった跡だ。
応接間を抜け、襖を開けると居間だ。どの部屋も嵐が過ぎ去った後のように、物が散乱している。足の踏み場に困った。宗家の宝を探し回ったのだ。そう確信できた。
――恐らく宗家の宝は見つからなかったんだ。だから、こんなに狂ったように家中、破壊しまくった。
犯人はまだ宗家の宝を手に入れていないということか。
特に変わったところは見られない。前に来た時のままだ。襖を開いて部屋を抜けて行く。最後に犯行現場の寝室がある。深呼吸をする。
襖を開くと、むっと血の臭いが押し寄せて来た。部屋の中央に布団が敷かれており、掛け布団が跳ね飛ばされたかのように裏返って部屋の片隅に転がっていた。敷布団の上で誰かが走り回ったように見える。そして、山守診療所と同じように、そこらじゅうに血が飛び散っていた。
布団の上、そして畳の上の二箇所に、大きな血溜まりがあった。塩市拓谷と入田孝道が殺害された場所だ。血の海という言葉がぴったりだ。
――こうまで残忍になれるということは、犯人は被害者に対して並々ならぬ恨みを持っていたのだろうね。
広大君が囁く。
凄惨な遺体は既に運び出されてしまっていたが、この血の海に切り刻まれた遺体が横たわっていたことを思うと、背筋に悪寒が走った。首藤医師は生きているのだろうか?
――車を置いて逃げたとは思えないね。あの日、首藤医師はここに入田孝道の診察に来た。そこで、犯人と鉢合わせになった。いや。もしかしたら・・・・
もしかしたら、何だい?
――犯人は首藤医師が診察に現れることを知っていたのかもしれない。犯人は首藤医師が入田家に診察に現れることを知っていて、ここで待ち伏せした。
待ち伏せ? すると、やはり犯人の狙いは首藤医師だったということかい?
ふと視線に気が付いた。隈井さんが僕を見ていた。広大君との会話に夢中になってしまっていた。考えていることを口に出してしまっていたかもしれない。
広大君が言った言葉を思い出した。
――あれは隈井さんからのサインだ。全てを打ち明けてみな。きっと悪いようにはしないさ。
だけど、僕にはその勇気がなかった。僕は慌てて隈井さんの視線から目を逸らすことしかできなかった。
僕らは入田家の捜索を終えて家を出た。
何の収穫もなかった。少し、屋敷の周りを見て回ろうということになって、屋敷内にある畑を見て回った。結構、広々としている。家庭菜園程度の小ぢんまりとした畑だが、平地の少ない七軒屋では贅沢な広さと言えた。
手入れが行き届いている。一人だと、手入れが大変だったことだろう。僕らは畑を端から端まで歩き回った。
畑から山肌に張り付いたように広がる七軒屋を見下ろすことができる。暫し、我を忘れて景色に見入った。
――昴君。あそこ。ほら、あそこに!
突然、広大君が叫んだ。何か見つけたようだ。
「どこだい?」思わず声が出る。
隈井さんの視線が気になるが、何時も沈着冷静な広大君の興奮した様子に、つい声を上げてしまった。
――ほら、あそこ。
と言われても広大君はあたまの中で囁きかけるだけだ。あそこがどっちなのか分からない。
「あそこって言われても分からないよ」
――ああ~もう!じれったいな。ほら、あそこ。木の傍で、雑草が薄くなっているところがあるだろう。あれ、きっと桜の木だ。桜はね。綺麗だけと葉っぱに毒があるんだ。雨が降ると毒をまき散らすから、桜の根本には雑草が育ちにくい。桜の木の右側、よく見ると、雑草が一部、なぎ倒されている。
入田家は崖淵に建っている。崖に面した側は雑草や樹木が生い茂り、林になっていた。谷底から吹き上がってくる山風を防ぎ、転落を防止する壁の役割を担っているのだ。
その雑草の一部がなぎ倒されていると言う。
「雑草がなぎ倒されている⁉」
――よく見ないと分からないよ。大型の野生動物が通ったのでなければ、何か大きなものを引きずった時についた跡だ。
と広大君は言うけど、そんな跡は見えない。広大君の言う辺りに近づいて、地面を確かめると、確かに雑草が折れているのが分かった。もっとよく見ようとしゃがみ込んで、僕は顔色を変えた。
地面が黒く変色していたのだ。
「隈井さん!ちょっと、ちょっと見てもらって、良いですか‼」
僕は叫んでいた。よく見ると、雑草の葉や枝、傍の木の幹に黒々とした染みのようなものがついていた。
「ここです!ここを見て下さい。変色して黒くなっていますが、血痕のように見えます。ほら、ここにも、あそこにも。血痕だとしたら、かなりの量です」
隈井さんが駆けつけて来てくれた。しゃがみ込んで、雑草をかき分け、人差し指で軽く地面に広がる黒い染みをなぞった。そして、目の前で親指と人差し指こすり合わせると、「血痕のようだ」と僕を振り仰いで言った。
「ここに血痕があると言うことは、どういう意味なのでしょう?」
「屋敷で襲われた塩市拓谷や入田孝道の血痕だとは思えないな。だとしたら、他に血痕があるはずだ。誰かがここで襲われた――ということだろうな。屋敷からここまで逃げ来て、草むらに隠れていたところを襲われた。背後は崖だ。ここで襲われたら逃げ場がない」
「誰かと言うと?」
「首藤医師かもしれない。首藤医師は入田家で犯人に待ち伏せされた可能性がある。屋敷で犯人に襲われ、命からがら逃げ出した――そう仮定すると、何処に逃げる?診療所に向かって逃げるのが一番、良い。だが、部屋を横切って玄関から逃げ出すには障害物が多過ぎる。直ぐに犯人に追いつかれてしまう。縁側から庭に逃げ出した方が早い。庭に逃げ出したは良いが袋の鼠だ。だから藪に潜んだ」
はるほど。さすがは隈井さん。
「無論、首藤医師以外の人物の可能性だってあるし、人血ではないかもしれない。鑑識に調べてもらおう。それに、ここで襲われたのだとすると、ガイシャは崖から転落した可能性がある。崖下をAチームに集中的に捜索してもらう必要があるな」
崖はほぼ垂直だ。ここから転落すると、命はないだろう。遺体を捜すのが大変そうだ。
山狩りに備えて待機してもらっていた鑑識官が駆けつけてくれた。僕の見つけた黒い染みが血痕であること、そして人血であることはすぐに分かった。
僕らはいったん、入田家を離れ、Bチームの後を追うことにした。
――おや、地蔵さんだ。
広大君が言う。地蔵が何だというのだ、と思ったが、今日の広大君は冴えている。また血痕でも見つけるかもしれない。
入田家の入り口まで、車が通ることができる道路が続いていが、そこから先は山道が細くなる。やがて舗装も途切れ、地を這うように山道が山奥へ続いている。
村外れの山道の分岐点には、地蔵が据えられていることが多い。入田家から山へと分け入る分岐点にも地蔵が鎮座していた。
地蔵は雨露を凌ぐことができるように小屋で囲われていた。石造りの台座には供え物を置くことができるようになっていた。台座の上に細い花瓶が置かれ、中に萎れて原型の分からなくなった花が生けられていた。
このところお参りに来る人がいなかったようだ。だが、花瓶の横には線香に香炉、ライターが置かれている。置いたのは入田さんか、芦刈さんか。信心深さが伺い知れた。
「お地蔵さんだけに、お参りに来る人がいなくて、参っているかもしれないな」
隈井さんが立ち止まって手を合わせた。僕も真似をする形になった。服部由紀さんが一刻も早く見つかるようにと祈った。
――あれ、あれ?
と広大君が声を上げ始めた。また何か見つけたのだ。
どうしたんだい?
――良いことを思いついちゃった。ほら、例の暗号。あれが頭に浮かんだ。宗家のお宝の在り処を記した暗号のことだよ。
暗号? 確か・・・無欲で謙虚な人間だけが宝を見つけることができるとかいうやつだ。
――有欲不見、無欲即見、頭高不顕、身低即顕だったかな。それだ。この台座、よく見ると石板を組み合わせて造ってある。ひょっとして、中に空洞があるのかもしれない。
空洞がある? 僕は隈井さんの隣で身を屈めた。
「どうした?」
「なんか、ひらめいちゃったかもしれません」
僕は地蔵の足元の台座の石板を押したり引いたりしてみた。正面の石版が微かだが動いたような気がした。
「これを使ってみろ」隈井さんは僕の意図に気が付いたようで、細長くて丈夫そうな枝を拾ってきて渡してくれた。石板の隙間に枝を差し込んで、梃の原理で力をこめた。
「動きます。もう少しです」
石板がずりずりっと音を立てた。
「開いた~!」
石板が観音開きの扉のように開いた。
僕は地面に腹這いになって台座の下の空洞を覗き込んだ。中に箱が納められている。手を突っ込んで箱を引っ張り出した。
茶色に変色した細長い桐箱だった。
桐箱を持って立ち上がった。土を払って桐箱を台座に置く。桐箱には達者な筆遣いで何か書かれていた。掠れて読めない。隈井さんが覗き込んだ。「崇禎年製と書いてあるような気がする。それに、これは徳利と書いてあるんじゃないか」
「隈井さん、凄いですね。読めるんですか」
「そう見えるというだけだ」と言うが、隈井さんの報告書は字が綺麗だ。子供の頃、書道をやっていたと聞いたことがある。
――きっとそうだよ。この箱の中に、宗家の宝が治められていた。例の暗号はこのお地蔵さんの台座のことを言っていたのだ。
信心深く、お地蔵さんに頭を垂れるような人間だけが、お宝を見つけることができる。そういう意味だったのだ。
「ああ、そうだ!だから犯人が屋敷の中をいくら探しても、お宝を見つけることができなかったんだ。お宝はこんなところにあった‼」
興奮した僕は広大君と会話をしていることを忘れていた。
「これも全てお地蔵さんのお導きだね。さあ、蓋を開けるよ。宗家のお宝とご対面だ!」
僕は桐箱の蓋を開けた。
桐箱の中は空だった。
「空・・・?」絶句してしまった。
どんなお宝が飛び出すかと思っていたが、まさかの空だ。拍子抜けしてしまった。諦めきれずに、箱を手にとって、ひっくり返してみた。何もない。
「空だな」と隈井さんが冷静に言う。
「犯人が持ち去ったのでしょうか?」
「どうだろう? 意外に犯人じゃないかもしれない。誰か謙虚な人間が宝を手に入れたのかもしれないな」
隈井さんの言葉に、
――あははは。そうか。さすがは隈井さん。分かっているんだ。
えっ⁉ 一体、何のことだい?宝が何処にあるのか分かっているってこと? 誰? 誰が宝を持っているの?
僕の問いかけに広大君は答えてくれなかった。
僕らは山道を登り続けた。
ただ、山道を登ればよいのではない。首藤医師、そして服部由紀さんを見つけなければならない。叢に潜んでいるかもしれないし、何処かに倒れているのかもしれない。付近を捜索しながら山道を登って行くとなると、時間がかかった。
梅雨時だが、高地とあって気温は低い。それでも、捜索を続けていると、玉のような汗が噴き出して来た。それも何時も間にか、乾いてしまって、汗が出なくなった。
「熱中症に気をつけろ」隈井さんから何度も言われた。その度に、「大丈夫です」と虚勢を張った。
隈井さんが「少し休むか」と言ってくれた時には、正直、ほっとした。僕はへたへたとその場に尻もちをついた。隈井さんは近くに岩を見つけて腰をかけると言った。「水を飲め。水分補給だ」
僕は持参したペットボトルの水を喉に流し込んだ。それを見て隈井さんが言う。「水臭いぞ。水が飲みたかったのなら、みずから飲めば良い。向こうみずなやつだな。みずみずしさを保って、山狩りをしないとな」
僕は「水って言いたいだけじゃないですか」と言って、愛想笑いを返すのがやっとだった。
一休みしていると、山の上から一人の消防隊員が降りてきた。細身だが、屈強な肉体をしている。うらやましい。細長い顔で目がやや鼻に寄っていた、富士型の唇から前歯がのぞいている。どうしたのだろう? 僕らの姿を見つけると、「ああ、刑事さん。良かった」と言った。
「どうしました?」
隈井さんが立ち上がって尋ねると、彼は意外なことを言った。
「男をみつけました」
「男をみつけた⁉」
犯人を確保したと言うのか⁉
「はい。山小屋に男が潜んでいました。逃がさないように見張りをつけています。刑事さんたちに知らせようと、山を降りてきました」
ここから更に二百メートルほど登ると、山道が消え、高地の為に樹木が低くなっている場所がある。そこに山小屋があると言う。昔は七軒屋の住人が猟や山菜の採取で利用していたようだが、最近は使われていない。朽ち果てた山小屋に男が潜んでいた。
「男は名乗りましたか?」
「いえ、何も言いません」
「どんな男ですか?」
「がりがりに痩せた中年の男性です」
「分かりました。直ぐに向かいます。案内してもらえますか?」
隈井さんは消防隊員にそう言うと、僕に「村に戻って応援を呼んで来てくれ。ぼちぼち係長が来ている頃だ。ああ、それに芦刈さんだ。身元を確認してもらう必要がある。芦刈さんを呼んで、待機してもらってくれ」と指示を出した。
今日は山狩りということで、係長が出張って来ることになっていた。
正直、助かった。これで山狩りから解放される。僕が疲労困憊なのを見て、隈井さんが助け舟を出してくれたのだ。
「隈井さん。気を付けて」
隈井さんは消防隊員と共に山を登って行き、僕は山を降りた。
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