第10話
全員が手を止めてこちらに集まる。
四十センチほどの骨が二本、そこには入っていた。
「黒木先輩、これはなんですか?」
文樹先輩の質問に、黒木先輩は骨を見たまま、顔をしかめ、大きく息をはき答えた。
「確かに黒魔術に生贄はつきものだ。しかしうちはあくまでも部活。ネズミ一匹でも実行したことはないよ」
「見覚えはないってことですか?」
「ああ、これはオカ研にもともとあったものではない。ぐちゃぐちゃな部室でも私はしっかりと把握しているんだ」
「ダイヤルの数字を知っているのは誰ですか?」
「鍵穴が壊れてダイヤル錠を買った時、『設定は6666悪魔の数字だ』という旨を、学校のルールに則って二、三年生に教えたよ。UMA部員も含めてね」
木暮先輩は文樹先輩にもういいというジェスチャーを送った。
「ありがとうございました。じゃあ今日はもう俺たち帰ります。一応骨は俺たちが預かってもいいですか?」
そう言って、私たちはオカ研を後にした。足音を立てないようにしながら部室に戻る。
「たぶん推理はできた。あとは待とう」
校舎と反対方向の用具室を、部室の扉を開け放って、じっと見つめた。
「よし行こう」
一時間後、私たちは用具室を開ける人影をとらえ、駆けだした。
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