第11話 二槍さんを祝いたい
まぶたを開ける。と、そこには白い壁と、横向きのカーテンがあった。知らない光景だった。ごろりと転がり、二槍は天井を見上げた。衣擦れの音と、いい匂いがする。視線をずらし、部屋のドアを見る。そこでぼんやりとしていた頭が覚醒する。
「そっか、私……」
布団をはねのけるようにして上体を起こし、自分の置かれている状況を思い出す。
夕方、初心に傷跡を見られて号泣した後、妹の小春に連れられて初心家に来ていたのだ。家に入った後小春の部屋に連れられて、彼女は疲れた二槍にベッドを貸してくれたのだった。
相当疲れていたのだな、と思う。いつもは殴られておしまいだったが、今回は初心に見つかったことで精神的にもダメージが来ていたのだろう。
だがそんな甘えたことは言っていられない。やはり自分があの家に戻らないと、匿ってくれた初心家にも危害が加わってしまう可能性がある。そうなる前に帰らないと。二槍はベッドから足を下ろし、立ち上がろうとする。
そのとき、ガチャ、と音がした。部屋に入ってきた初心の母親と、目が合った。
「あら、起きたの」
立ち上がりかけた中腰のまま、なんと言えばいいのか口を中途半端に開けていると、初心母は持っていた飲み物をお盆ごと机に置いて、いきなり抱きついてきた。布団と同じいい匂いがする。
「え、あの……」
「正直から事情は聞いたわ、仲美ちゃん」
困惑していたが、背中をさすられることでなぜか安心した。不思議と心が落ち着く。
ふと視界に入った部屋の時計を見上げると、針はもう夜の七時を指していた。そうか、もう初心くんは帰ってきたのか。
「仲美ちゃん」初心母は二槍の肩に手を置き、真剣な表情で言った。「今日はうちに泊まっていきなさい」
二槍は初心母の目を見つめ返して、口を小さく動かす。「え、えっと……いや、でも、迷惑かけることになるので……」
「迷惑? そんなふうには思わないよ?」
困ったような顔をして首を振る初心母は、さらに続ける。
「うちは仲美ちゃんが一人泊まるくらい全然平気だし、むしろ大歓迎よ。それに、正直が、仲美ちゃんのお父さんにきちんと話してきたから、大丈夫。心配なら仲美ちゃんからも連絡しておいてもいいのよ? どう? これでも迷惑?」
そんなふうに言われると、二槍は返す言葉もない。それでも迷惑をかけることになるかもしれない、という言葉を飲み込み、首を横に振る。
「よし、いい子ね。あ、肩、痛くなかった?」
初心母は二槍の肩から手を離し、心配してきた。それほど強く握っていないため、心配したのは虐待による痛みのことだろう。
「ね、仲美ちゃん。あざを、見せてくれる?」
「え……」
悲しそうな表情の初心母が目の前にいる。正直誰かに見せるのは気が進まないが、もう初心から事情を知らされているのなら、見せないわけにもいかない、か。二槍は腕をまくり、変色しているあざを見せた。
より一層悲しそうな顔をして小さくうんうんと頷く初心の母親は、静かな声で言った。
「ありがとう、もういいわよ」
まくったワイシャツをくるくると下ろしてくれる。それから一呼吸間を置いてから、初心母は正座した。唇を湿らせて、真剣な顔を作って聞いてきた。
「仲美ちゃん、その、家族のこととか、虐待のこととか、勝手に聞いちゃってごめんね?」
二槍は静かに首を振る。
「おばさん、正直から話を聞いて、仲美ちゃんがそうだなんて、信じられなかったわ。でも、傷跡を見て、わかった。仲美ちゃん……」
おばさんの瞳が潤んでいるのが見える。二槍もちょっとつられそうになる。
「頑張ったね」
おばさんが、こらえきれなくなったのか、涙をこぼす。再び、抱きついてくる。今度は、体が痛まないよう、優しく。
「今まで、よく頑張ってきたね」
「おば、さん……」
「よく耐えてきた。偉い。仲美ちゃんは、強い」
人の本気の泣き声は、心を震わせる。じんわりと温かい涙が、二槍の首の後ろに落ちる。夕方に散々泣いたというのに、また鼻の奥がつんとしてくる。
「ごめんね、泣いちゃって」
「いえ……」
「ほんと、よく頑張った、すごい、すごいよ仲美ちゃん」
「い、え……」
背中をさすられ、泣きながら抱きつかれていると、さすがに我慢できなくなってきた。おばさんは自分の子供に愛を注ぐように、強く抱いたまま離れない。感傷を誘う声音で、鼻をすすりながら言った。
「仲美ちゃんは強い子だよ。ほんと、強い子……」
そんなこと、ないです。二槍はこみあげてくるものを懸命に抑えながら言った。初心母が深く呼吸するのが伝わってくる。
背中をさすっている手と逆の手で、頭を優しく撫でられる。こんなこと、されたことない。
「けどね、もう、頑張らなくていいの。耐えなくていいの。傷つかなくて、いいの」
二槍の肩から温かい体温が離れていく。正面に、赤くなった目元を濡らす初心母がいる。そして、いつも隣で見ている男の子と同じように笑った。
「私たちを、頼ってほしい。私たちを、家族だと思ってほしい。前に一度会っただけだけど、私は仲美ちゃんのこと大好きになったし、お父さんも小春も、すごくいい子って褒めてた。だから、私たちは、歓迎よ」
笑顔で話す初心母を見ていると、今まで見てきた大人の中で、一番頼りになりそうだと思った。こんな人が、本当の母さんだったら。
「ふふ、一緒に住もうってことよ。さっき、家族みんなで話し合ったわ」
「一緒に……」
前に一度、初心がそんなことを言っていた。『だったらさ、卒業するまでの間、うちに来なよ! うちで暮らしなよ!』
そうか、あれは、もう初心くんだけじゃなくて、家族のみんなも賛成してくれているんだ。心が温かくなったのを感じた。
その案を初めて聞いたときには、いくら虐待を受けているとはいえ、一度しか会ったことのない人たちの家に住まわせてもらうなんて、できない。そう、思っていたのに。
この人に言われると、いいんじゃないか、甘えさせてもらいたい、という気持ちになる。
「仲美ちゃん」目の前で屈託のない笑顔を浮かべた初心母は、はっきりと告げてきた。「うちの子になりなさい」
「え……」
「卒業するまでの間だけじゃなくて、ずっとうちの子になりなさい。まだ詳しいことは分からないけど、きっとどうにかなるわ」
根拠のなさそうな笑みを浮かべる初心母は、白い歯を見せて親指を立てている。そんなことができるのか、という言葉が出かかったが、「大丈夫」と自信ありげに笑うのを見て、喉の奥にしまった。代わりに、笑った。親子だな、と思った。
「もちろん仲美ちゃんもすぐには答えを出せないと思う。こんないきなり言われたら、混乱しちゃってもしょうがない。だけど、私たちはいつでも仲美ちゃんを受け入れる準備はできてる。それは、分かっててほしい」
優しく笑う初心の母親は、続けた。
「すぐには決められないと思うし、色々考えることもある。だから、今日はとりあえず泊まって、疲れを癒して、それで明日起きたら、みんなでいろいろ話し合って考えて、なんとかしよう。それでいい?」
「——はい」
心が少し軽くなったような気がして、二槍は笑った。溜まっていた涙を手の甲で拭い、立ち上がる。
パン、と初心母が手を鳴らした。
「よし! そうと決まれば、これからはハッピーな時間にしよう!」
「え、ちょっと——」
手を取られ、前につんのめりそうになりながら、部屋から一緒に出る。切り替えが早くてなんだなんだと戸惑っているうちに、階段を降りていた。一階のリビングに続くドアの前で初心母は大きな声で叫んだ。
「準備はいい?」
「OK!」
聞いたことのある声が三つ混ざった、明るい返事が返ってきた。
「じゃあ、行くよ」
初心母が二槍の手を軽く引っ張り、ドアを開ける。と、破裂音がまず二槍の耳を襲った。クラッカーだった。初心父がドアの前でクラッカーの中身を飛び散らせている。宙に舞うきらきらの装飾をかいくぐると、今度は二つのクラッカーが二槍を待ち構えていた。
左右から初心母ごと爆撃を食らったような形になり、驚いていると、
「誕生日、おめでとう!」
盛大な拍手とともに、四人の笑顔が二槍を祝ってくれていた。
食卓テーブルに、ありとあらゆるごちそうが用意されていた。骨付きチキンに、お寿司、ポテトサラダに、半分に切ったゆで卵、パスタ、ピザ、ジュース……。
誕生日、そう言われて、そういえば今日が自分の誕生日だと二槍が膝を打っている間に、流れるように背中を押されて椅子に座らされていた。長方形のテーブルの、主役の座に二槍は今座っていた。初心家の四人ももう座っていた。
これは一体どういうことなのか、と聞く前に、初心母が口を開いた。
「仲美ちゃん。まあ色々あったしこれからもあるだろうけど、今日は一旦忘れよう! 仲美ちゃんの誕生日だから!」
みんなのほうを向き、それぞれと視線を合わせて頷いている。それから手元のグラスを手に取り、いつの間にか注がれていたジュースを揺らして、言った。
「我が家に舞い降りたスーパーエンジェル、仲美ちゃんの生まれた日を祝して——」
「乾杯——!」
初心も小春も、父も母も二槍の顔を見ながらグラスを伸ばしてきた。
少し気圧されたが、二槍もグラスを手に取り、笑顔を作って掲げた。
「乾杯!」
みんながグラスを傾けるのを見てから、二槍もジュースを飲んだ。
グラスを置き、眼前にある骨付き肉に目をやる。海賊とかが食べていそうな感じの肉だ。おいしそう、とは思ったが、まだ突然祝われたことに関して納得できたわけではないので、食べてもいいのかと迷う。
とはいえ、食卓にあるものすべてに手を伸ばしがっつく初心を見ていると、よだれが口内に溜まってくる。ガリガリ君くらいには頬が膨れている。初心がこんなにがっついて食べるなんて知らなかった。どれもこれもおいしそうに見える。
「ひやりはん、はべわいうぉ?」
二槍さん、食べないの? と言っているのだろう。初心が口の周りを汚しながら聞いてきた。
「そうよ。仲美ちゃん、遠慮しないで」
二槍のすぐ隣に座る初心母が、優しすぎる目でそう言ってくれる。こんな部外者の私なんかが人様の家のごちそうを食べていいのか。そう無意識に考えてしまっていたのか、本当の家族のように扱ってくれることに、温かいものが胸の中に沸く。
二槍は「じゃあ、いただきます」と遠慮がちに手を合わせ、フォークをとろうとするが、すぐに、これは手で持って食べるものだと気づき、横から飛び出している骨に手を付ける。
みんなの視線を感じる中、二槍は肉を持ち上げ、初心のしているように真ん中にかぶりつく。パリッと焼けている皮の中から肉汁があふれ出してくる。美味しい。
こんなごちそうを食べたのなんていつぶりだろう。と舌の上に乗る肉を堪能していると、不意に目から雫がこぼれ落ちたことに気づいた。
「あれ」
なんでだろう。不思議と、涙がこぼれ落ちていく。美味しすぎるからかもしれない。二槍はフォークを取り、カラフルな塩が振ってある、半分にカットされたゆで卵をとる。それを口に運ぶ。首の後ろから後頭部にかけて鳥肌が立つような感覚に襲われる。美味しすぎる。また、一つ涙がこぼれる。色とりどりのポテトサラダを口いっぱいに頬張る。美味しい。ほろほろと、両の目から涙が落ちる。
これは、料理がおいしいからだけではない、と二槍は気づく。温かいからだ。家族で食べるご飯って、こんなにもおいしいんだ。初めて、それを実感した。だから、こみあげてくるのだ。
ぼやけた視界で周りを見回すと、みんなが二槍を見て微笑んでいた。それだけでもう胸がいっぱいになった。嬉しくて出る涙は、泣いているのに気分が良かった。
「二槍さん、これ、使って」
初心が身を乗り出し、折りたたまれた白いハンカチを手渡してきた。ありがとう、と言って涙をふくと、
「どう? うちのごはん、めっちゃ美味しいでしょ」
とはにかんできた。二槍も、いつものニヤニヤ顔ではなく、よそ行きの笑顔でもない顔ではにかみ返した。
「美味しい。あったかい」
そういうと、小春も初心母も初心父もさらににんまりと口角を上げた。初心母がグラスの中身を飲み干し、喉を鳴らして、ドヤ顔していた。それから咳ばらいをわざとらしくしてから言った。
「仲美ちゃん、うちの食卓のマナーは『楽しく』よ? その涙は、もちろん悲しい涙なんかじゃないのよね?」
初心が慌てて、なにを言い出すんだよ母さん、と息子の顔をする。しかしこれは二槍のために開いてくれたパーティーで、元気を出してほしいからやってくれているのだ。期待に応えなくてはならない。二槍は、今だけは初心家の一員である、と心に定め、笑った。
「もちろん、嬉しい涙です。あまりにもお母さんの料理が美味しすぎて!」
初心母の鼻の穴が膨らみ、目を閉じ、ドヤッとしている中、二槍は大きな口を開けてチキンにかぶりついた。
食事を終え、後片付けを終えた後は、五人で人生ゲームをした。二槍にとっては人生初の人生ゲームだった。初心はいつも帰り道で見る初心よりも積極的で、明るかった。家族の中ではふざけたりするんだな、と意外な一面も見られて楽しかった。家族本当に仲が良くて、大いに盛り上がった。
お風呂も貸していただいた。小春が一緒に入ろうと言ってきたのだが、初心母が、傷やあざを見られるのが嫌だろうからと配慮してくれたので、助かった。小春がぶつぶつ言いながら沈んでいたのは面白かった。
お風呂から上がった後小春の部屋で談笑し、しばらくしてから初心の部屋に行った。小春の部屋では狭いからと、初心の部屋で寝ることになったのだ。
お風呂上がりの初心がいる部屋に入ると、ちょっと緊張してしまう。だが、水色の子供っぽいパジャマを着ている姿を見て、すぐに緊張は解けた。にやけると、初心が顔を真っ赤にしたので腹を抱えて笑った。
あの日のように、二槍はベッドに、初心は勉強机の椅子に座っていた。
「初心くん、今日は本当にありがとね」
素直にお礼を言うと、初心は少し照れながらも下を向いて「うん」と言った。
実際、初心がいなかったら今日もあの家に帰っていただろう。今ごろは家事をやらされ、殴られ蹴飛ばされていたかもしれない。特にあの叔父は、今回の帰省でなにがあったのかわからないが、いつにも増して機嫌が悪かった。
とここで、初心が叔父と話をしてきたことを思い出した。どんな話をしてきたのか聞くと、どうやら一方的に言いたいことだけ言って、帰ってきたらしかった。初心は怒ったら人が変わるな、と二槍は思った。私の代わりに怒ってくれて、ありがとう、と伝えた。
布団を敷いてもらい、二槍は寝転がった。布団をかぶり、とろんとした目を作り、「もう眠い」と言った。
「いや、二槍さん。こっちで寝なよ、体も痛いだろうし」
初心が自分のベッドを指さしている。二槍の体をいたわってくれているのだろう。布団を敷いてすぐに寝ようとしたことに驚いてもいるようだった。二槍はニヤニヤ顔を作り、からかい口調で言った。
「あ~初心くん、ひょっとして私の匂い、ベッドにつけてほしいんだ~ヘンタイさんだね~」
「ち、ちがっ」
「え~? その慌てっぷりは怪しいな~」
「ほ、ほんとにそんなこと考えてないって!」
「ふ~ん」ニヤニヤ。
そんな邪な気持ちは本当になさそうだったが、初心をからかうのは面白いので、つい調子に乗ってしまう。赤くなって反論してくると、さらに面白い。そして、最近は付随して可愛いと思うようになってきていた。
自覚すると心臓の鼓動が速く強くなることにも、気づいていた。今まで感じたことのなかった『好き』という感覚だと思う。
初心は本当に善意だけでベッドを勧めたようだったが、二槍は理由をつけたり、からかったりして固辞した。
寝る前にトイレ、と言って一階にいった。初心夫婦は歯を磨いたり肌のケアなどをしていたので、「おやすみなさい」と挨拶をした。
「明日、朝、話しようね」
リビングから出るときに、ソファから振り返った初心母に言われた。はい、と返事をしたが、うまく笑えていただろうか、と心配になった。
初心の部屋に戻り、ことさら眠いふりをした。あくびをして、疲れた~もう眠い、と布団にもぐる。初心からしたら「二槍さんの隣で寝るなんてやばいよ、心臓バクバクして絶対寝られないよ!」とか思うかもしれないが、それでは困るのですぐに明かりを消して寝息を立て始めた。
しばらくして初心も寝息を立て始めたので、二槍は布団の中でスマホを確認する。メッセージには、短く、しかし非常にわかりやすい文章が書かれていた。
『朝までに戻ってこなかったら、お前の大事なものがまた一つ消える』
叔父からのメッセージだった。二槍はその一文を何度も見返しながら、奥歯を噛みしめる。高一のとき、親しくしていた養護教諭が消えたことを思い出した。
初心とその家族が同じような目に合うのは避けなければならない。あの男には、冗談ではなくそれを実行できる力があるだろう。だから、戻らなくてはならない。
時刻は午前二時を過ぎたところだった。事情を話しても初心家のみんなが二槍を引き留める可能性があったから、みんなが寝静まった時にこっそり出て行くと決めていた。
布団から出て、立ち上がる。起こしたら困るというのに、初心の頬にキスしてから部屋を出た。
音を立てないようにして玄関ドアを開け、外に出る。雨が降っていたので小春のと思われる傘を借りて、静かにドアを閉めて歩き出した。
今日だけでも、本当にいい家族だということが身に染みて理解できた。初心が二槍の家庭の環境について「そんなのは家族じゃない」と怒っていたのも頷ける。
うちの子になりなさい。その言葉を思い出し、「なれたらいいよ、ほんとに」と一人呟いた。
誰もいない街灯だけの夜道を歩いて、初心家から離れていく。帰るべき家が近づくにつれ、体中の傷跡たちが痛みを訴えてくる。
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