第7話
「終わった終わった〜
さぁ次!次!どんどん進むぞ〜。
みのみの探検隊!えいえいお〜!」
拳を高く突き上げながら大声で気合いをいれなおす。
〈うぉぉ〜!〉
〈みのみの探検隊!みのみの探検隊!〉
〈テンションたかっww〉
〈みのみのみのみの〉
〈ギルド探検隊25層到達らしいけど、みのみのいるのは何層なんだろうな〉
〈おい!なんかエレベーターが二機そのまま消えてるらしいぞ!〉
〈え?〉
〈え?〉
「え?どういうこと?」
そもそも自分は今何層にいるのだろうか。
5層から地上行きのエレベーターに乗り、途中の3層か4層くらいでダンジョンクェイクに巻き込まれた。
罠、宝、獣、通路、新層などの追加など、
ダンジョンに大きな変化をもたらすダンジョンクェイク。
ダンジョンクェイクが起こる前までの
旧ダンジョンで5層よりは上にいた。
新ダンジョンでは探索隊は25層まで攻略済みだという
。
(めちゃくちゃ間に新層が追加されたのかな〜って思ってけど、もしかして私どこかに飛ばされた?それとも階層自体が入れ替わってる?
50層以下に生息が確認されてるヘルハウンドがいたから、やっぱり…)
「まっいいか!新層でしかも深層かもしれないって事?真相は分かんない!なんちゃって」
〈美少女ギャグ助かるみの〉
〈寒いというより愛おしいと感じましたみの〉
〈渾身の"みのみのギャグ"は数多のみのみの信者を生み出したのであったみの〉
〈みのみのみのみのみ〉
〈狂信者の集いじゃんww〉
考えて分からなければ行動あるのみ。
桜坂みのりどこまでも前向きな女の子。
しばらく進んだ先は大きくひらけた場所であった。
今までの洞窟のような湿っぽい通路ではなく
草木が生い茂り、空には雲と太陽、顔を撫でる風はここがダンジョン内ではなく、地上だと錯覚させる程であった。
「んぁ〜
大きく伸びをして新鮮な空気を体内に取り込む。
寝転がって草を布団にしばらく眠ろうかと思ったが、
遠くに建造物のようなものを見つけて、
好奇心に駆られたみのりは走り出した。
近くでみたそれは神殿のような建造物であった。
神聖な儀式を執り行うのにぴったりな厳かな雰囲気を醸し出していた。
神が地上に降り立った地はどこかという質問をされれば、みのりは真っ先にここの場所を答えただろう。
入り口の両側には神話から飛び出したような2つの立派な石像が招かれざる訪問者を睨んでいた。
〈おいおいなんだよここ?〉
〈やばい雰囲気しかしないんだが〉
〈みのみのが光り輝いてみえるみの〉
〈あぁ〜ここをみのみの生誕の地にしましょう。みのみの神様万歳!〉
〈みのみのみのみのみ〉
〈神格化が止まらないよ!?〉
「なにここ?
帝都ダンジョンに神殿なんて聞いたことないよ。
ふふふ。新発見?もしかして私が最初?
名前つけられらたりするかな?
えぇ〜みなさまこんにちは本日はみのり神殿から中継をお送りします。
とか連日ニュースで流れりして!」
桜坂みのりは少し、いやだいぶズレていた。
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