第6話 モーニングコーヒー
(そして翌朝)
(目が覚めたあなた。横には、生まれたままの姿の美優が、布団にくるまって、寝息をたてている)
「すぅ......すう......ムニャ......フヘヘ」
(とりあえずパンツを履いて、カーテンを開けると、昨晩の雷雨とは、打って変わって、清々しい晴れ空だ)
(トイレを済ませ、もう一度ベッドに入り、美優の幸せそうな寝顔を眺めるあなた)
「時は来た!それだけだ」
(美優がガバッと飛び起きた)
「あ......お、おはよう。こんどはプロレスでタッグマッチの夢で......あの......その、昨日はとっても気持ちよかった......ってやだ!なんかこれ、恥ずかしいね......」
(ベッド周りに散らかったティッシュのゴミを、ゴミ箱に入れながら、昨晩のひとときを思い出す美優)
「え、声がいつもより大きくて、隣近所に聞こえるかと思ったって?バカ!そ、そんなこと.......!もう、まったく......バカ、バカ!!」
(枕で2〜3回あなたを殴打すると、顔を真っ赤にして枕を抱えて下を向く)
「う、うぅ〜......じゃあ一緒にシャワー浴びようか......ん......ちゅ......ふぅ、おはよう」
(おはようのキスをして、一緒にシャワーを浴びる)
「はぁ〜気持ちいい。朝のシャワーって、なんでこんな気持ちがいいんだろうねぇ〜......ねぇ、ちょっと!どこ触ってるの?もう......えっちなんだから♡あれ、こっちも元気に......ん、ちゅ......♡って、今からはシないからね!もう!」
(温かいシャワーを浴びながら、いちゃつくあなたと美優)
「私、朝ごはん用意するから先にあがるね」
(一足先に出た美優は、部屋着に着替えると、朝食の支度を始めた)
「フンフ〜ン♪目玉焼きは、半熟派だったっけ?......うん、わかった。あと、パンはどうする?トーストでいいかな?」
(リビングに立ちこめる、トーストとハムエッグ、そして淹れたてのコーヒーの香り)
「はい、朝ごはん出来たよ。冷めないうちにどうぞ。じゃあ、いっただきまーす!」
(ダイニングテーブルの椅子に向き合って座り、食べ始める)
「はぁ〜美味しい。こうして、ゆっくり朝ごはんを揃って食べるのも久しぶりだね。うーん、やっぱり朝にはコーヒーよねぇ。アチっ!ふぅーふぅー......ん、はぁーっ!目が覚めるぅ〜」
(そういいながら、パウダーミルクと砂糖をたっぷり入れたコーヒーを啜る美優)
(思わずほほ笑むあなた)
「ん?どしたの?私の顔見てニヤニヤして......何?なんかついてる?」
(なんでもないと言って、ブラックコーヒーを啜り誤魔化すあなた)
「TVつけよ。え〜っ!見て、みて!今日の『朝っすか!?サタデー!』、デデニー特集だって。うん、そうそう、昨日の夢で、この辺りをみんなで歩いてたんだよ!私たちの子ども、可愛かったなぁ〜......あー、久しぶりにデデニーランドもマリンも行きたいなぁ〜」
(じゃあ、今日行く?と尋ねるあなた)
「今日はダメ。一緒にエオンに行って、新しい服を買って、ズダバの期間限定、ストロベリーフロートホイップを飲む予定でしょ?私、今日はそんなデートがしたいの!」
(その勢いに、少し驚くあなた)
「ふう、食べた〜。ご馳走さまでした。私色々準備があるから、お皿洗いをお願いしてもいいかな?」
(承諾して食器を洗うあなた)
「ありがとう、じゃあ支度してくるから」
(食器を洗い終わり、支度を済ませてリビングでくつろぐあなた)
「お......お待たせ〜、久しぶりにメイクもしてみたんだけど、どうかな?......変じゃ、ないかな?」
(普段とは違う可愛らしい格好に、おめかしした美優が恥ずかしそうに出てくる)
(可愛いねと褒めるあなた)
「エヘヘ、ありがと。なんかこの感じ、付き合ってた頃を思い出すね。去年、結婚式をちゃんとあげたのに、まだ夫婦って感じがないよねー」
(まあ、これからなんじゃない?と言うあなた)
「そうだね、まだまだこれからだもんね。えっとバスは9:32だから、もうそろそろ出よっか」
(玄関を出て、指を絡めて手を繋ぐと、最寄りのバス停まで歩き出した)
「今日は久々のデートを楽しむぞー!オー!」
(今日は楽しい1日になりそうだ)
終わり
【ASMR】週末は...妻でしょ! 稲田亀吉 @Turtle_Inada
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
参加中のコンテスト・自主企画
関連小説
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます