第3話 コンビニ
(先に上がったあなたは、ソファーでくつろいでいる)
(さっきの積極的な美優の姿を思い出し、思わず鼻の下が伸びる)
「ふぅ〜お待たせ、お待たせ。いいお湯でした〜♪なーんてね」
(髪を乾かし終わった美優が、お風呂から出てくる)
「あのさ、明日久しぶりに休みが合うんだからさ、今晩飲まない?結構、長風呂だったから、喉が乾いちゃってさぁ〜」
(確か冷蔵庫にビールがあったはずと、教えるあなた)
「え!ほんと!ビール、ビールぅ〜♪じゃあ持ってくるから待ってて。さぁ!おまちかねの......って......あれ?え、嘘......?でしょ?」
(ウキウキで冷蔵庫を開ける美優だったが、急にトーンダウンする)
「そんな、ビールがない......。そんなぁ〜!う〜、うーそーつきーぃー.......。『風呂上がり、冷えたビールが、ないなんて』......ガックリ」
(謝るあなた)
「せっかくビールの口になっていたのになぁ〜、あーもう駄目だぁ〜、お終いだぁ〜」
(大袈裟に落ち込み、力無く冷蔵庫の前にへたり込む美優)
(それなら今から、コンビニ行こうと誘う)
「あ......コンビニ!そうだ、コンビニがあった!うん、行く行く!一緒に行こ?待ってて、今エコバッグと財布、あと、寒いかもしれないから上着とってくるね!」
(シャキッと元気になり、いそいそと準備を始める美優)
「よし、こんなもんかな。ねぇ?準備まだ?置いてっちゃうぞ〜」
(あなたも財布とスマホを持って、サンダルをはく)
「ねぇ、手繋いでいい?」
(承諾するあなた。お風呂上りでほんのり温かい体温を感じる)
「ありがと。じゃあ、
(2人夜道を歩く)
(鼻歌を歌う美優に、なんの歌か聞くあなた)
「え、この歌知らないの?最近TikTACで流行ってる、コンビニの歌。おでんの卵ばっかり頼んで一万円で払うとこが、めっちゃ面白いの。あとで見てみる?」
(いや、遠慮しとくと断るあなた)
「え〜、絶対見た方がいいって〜」
(そうしているうちに、歩いて5分のところにあるコンビニ、オーソンに到着した)
「カゴは私が持つよ。まずは〜ビール、ビールっと。ロング缶でいい?じゃあ、これを2つ入れて......あ!ねぇ見て、ゆるよいの、期間限定キウイサワー味だって、美味しそうだからこれも入れちゃおっと」
(飲み物だけで6本カゴに入っている)
「あ!新作のスイーツ!このシュークリーム、TVでウメコが美味いって言ってたやつ〜♪それから、チータラ、生ハム、ポテチに......と、まあ、こんな感じかな」
(次々とお菓子やビール、チューハイなんかを入れていく
「あ!見てみて!これ!さっき言ってた、おにぎり!ちょうど二つ残ってるから、買っちゃおう!一個が私ので、もう一個はあなたの。絶対美味しいから!おつまみにもピッタリだよ!」
(呆れて、夕飯の時に言われた言葉をそっくり返すあなた)
「だ、大丈夫だよ!ちゃんといつも節制してるから。今日くらい、いいじゃん!その〜、なんて言うんだっけ?ほら、あの筋トレとかしてる人とかがスイーツ食べたりする日!そう、トーチデイ!確か、そんな名前のやつ!」
(もしかして、チートデイなのではというツッコミを飲み込むあなたは、思わず苦笑いする)
「じゃ、お金払ってきちゃうから、待っててね」
(美優はレジに、あなたは雑誌コーナーで立ち読みをする)
「お待たせ!ついつい買いすぎちゃったね。じゃあ行こっか。あ、荷物持ってくれるの?ありがとね」
(コンビニを後にして、家路に向かう2人)
(するとポツリと雨が降ってきた)
「あ、今ポツッてきたかも。じゃあ降り出す前に、家まで急がなきゃね。よーい、ドン!それ、はっしれ〜」
(あなたは、走り出した美優を追いかけた)
続く
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