第2話 風呂

 (あなたはソファーでくつろぎ、美優は食器を洗っている)

 

「フンフ〜ン♪ラララ〜♪っと.......ふぅ、これでよし!っと、洗い物終わり!」


 (ソファーに座る美優は、あなたの肩に頭をもたげる)


 「あーあ、疲れた。今日はねぇ夜勤明けで帰ってきてからちょっと寝て、部屋の片付けして、夕飯の支度してたら、もう夕方だったんだ〜。昨日はさ、深夜に4回もナースコールがなって、大変だったんだから」


 (美優を言葉で労うあなた)


 「ありがとう、でもこれだけじゃ足りない......充電させて?」


 (そういうと、頭をあなたの太腿の部分に載せる美優)


 「膝枕充電〜!あ〜ちょっと固めなこの寝心地、高級枕でも出せませんなぁ〜、あ〜♡癒される〜」


 (やけに積極的な美優にドギマギするあなた)

 (すると、『お風呂が沸きました』と音声が流れる)


 「あ、お風呂沸いたみたい。あの......さ、ひ、久しぶりに一緒に入らない?......って、あぁ!何言ってんだろ私!疲れてるなら。1人でゆっくり浸かりたいよね!さ、先どうぞ、先!」


 (あなたは同意して、ソファーから立ち上がる)


 「え!い、いいの!?あ、ありがと......ま、まぁ誘ったのは私だし......なんか、恥ずかしくなってきた!もう!」


 (2人で一緒に脱衣所へ)


 「ん、しょっと、どうしたの?」


 (服を脱いだ美優の見慣れない下着に、あなたは気づく)


「ああ、もしかして、この下着?この間、ネットで買ったやつ〜エンスタで、モデルのマイコちゃんが、プロデュースしてたやつなんだけど、どう?この色と、胸元のレースが可愛いでしょ?それに......見よ!この谷間!」


 (その場でグルグル周り、アピールする美優と思わず見惚れて黙ってしまうあなた)


 「.......ちょっと、ジロジロ見るばっかりじゃなくて何か言ってよ!『似合ってる』とか『かわいいよ』とか!んもう、......知らない!」


 (あなたに背を向けて、足早に下着を脱ぐ美優。そして1人先に、浴室に入ってしまった)


 「あ!忘れてた!入浴剤、入浴剤〜ィ♪今日は......ラブリーピーチの香り〜♪」


 (某ネコ型ロボットの口調で、入浴剤を投入して攪拌する)


 「ほら、早く来て〜、一番風呂頂いちゃうよ〜」


 (あなたは浴室に入ると、身体掛け湯をして浴槽に浸かるあなたはいい香りに包まれる)


 「どう?これも今エンスタで大流行してるやつなんだよ〜♪あぁ〜いい香り♪」


 (美優は、身体を洗い始める)


 「フ〜ン、フフフ〜ン♪なんだか久しぶりだね、2人で入るのって♪付き合ってて同棲する前はさ、私が会いにくるたび一緒に入ってたよね。思い出すなぁ、あの狭い浴槽で、ギチギチになって入ってたね」


 (鼻歌交じりでご機嫌な、華奢な後ろ姿を見ていると、なんだかとても、心地よい気分になってくる)


 「ふう......さっぱりした!髪は......今日はいっか。ってなわけで、じゃあ、お邪魔しま〜す」


 (美優は、イタズラっぽい表情を浮かべて、あなたと対面になるようにして浴槽に入り込んだ)


 (ザブーンと浴槽から、大量のお湯が溢れ出す)


 「ん.......あ〜っ、気持ちいい......やっぱりシャワーより、お風呂よねぇ〜あ〜極楽、極楽」


 (まじまじとみる妻の裸に、目のやりどころに困る)


 「ん?どうしたの?黙り込んじゃって♪あれ〜もしかして、照れてるの?フフフッ、何を今更。相変わらず、照れ屋さんなんだから......おーい、もしかして無視?酷いな〜こうなったら......えい!」


 (急に抱きついてくる美優。程よい大きさの2つの膨らみが、あなたの胸元に押し付けられる)


 「どう?びっくりした?」


 (思わず、どぎまぎしてしまったあなたは、逃げるように浴槽から飛び出した)


 「よかったらお背中、お流ししましょうか?なんちゃって!って......もう、無視!?」


 (さっと身体を洗って浴室から出た)


 「......もう、いくじなし!バカ!......しょうがない、ゆっくりお風呂タイムしますか」


 (湯船に浸かり直した美優は、また鼻歌を歌い始めた)


続く


 

 


 

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