【ASMR】週末は...妻でしょ!

稲田亀吉

第1話 夕飯

(金曜日の19:30)

(あなたは仕事を終え、いとしの我が家へ帰ってきた)


 「おかえり〜今日は、早かったんだね。夜から雨が降るって言ってたから、心配だったんだよ?」


(あなたは玄関のドアを開ける)

(妻、美優みゆ (24) が、玄関まで来て出迎えた)

 

「お仕事、お疲れ様。昨日の夜は、夜勤でいなかったから、寂しかったんじゃないの?ねえ、ねえ」


(玄関までわざわざ来てくれた美優を、あなたは抱きしめた)


 「わ、わわっ...!ちょ、ちょっと!苦しい、苦しいってぇ!」


(キスをしようと顔を近づけるが拒まれる)


 「ちょっとタンマ!タンマ!落ち着いて!ん......もう、一晩ぶりだからってちょっと、がっつきすぎ」


 (少しシュンとするあなた)


 「ほら、拗ねちゃわないで。今ご飯今用意するから、待っててね。今日はねぇ......唐揚げだよ♪今からあげちゃうから、待っててね♡」

 

(バタバタとキッチンに向かう美優)


(あなたはソファーに座る)


「最近、帰りが遅いみたいだけど、仕事忙しいの?」


(最近の仕事状況を、簡単に話す)


「そうなんだ〜。そしたら、だいぶお疲れなんだね」


(くつろいでスマホをいじっていると、リビングに味噌汁の香りが漂う)


 「さて、お味はどうかなぁ......うん、うん!美味しい♪もうすぐ、できるから待っててね」


(リビングに響きわたるほど、大きいお腹の音が鳴る)


 「あ......もしかして、今の聞こえた?その.......私の、お腹の音。聞こえてないよね?ねえ?ねぇってば!なんで黙ってるのよ、もう!......恥ずかしい......」


(美優の呼びかけに応じ、椅子が2つの、4人掛け食卓ダイニングテーブルに腰掛ける)


(2人分の食事が、食卓の上に置かれる)


 「じゃーん、『唐揚げ定食』だよ♪さぁさぁ、冷めないうちに、食べよっか」


 「いただきまーす」


(食卓には、ご飯、豆腐とワカメの味噌汁、そしてワンプレートに盛られた野菜サラダと、鳥の唐揚げ)

 

 「ん〜美味しい。我ながらいい出来!私って、もしかして天才かも......なんちゃって!どう?美味しいかな?上手くできたつもりなんだけど......」


(唐揚げが実家の味にそっくりで、驚くあなた)


 「あ、もしかして気づいちゃった?唐揚げ、お義母かあさんの作る味とそっくりでしょ?この間、遊びにきてくれた時、作り方教えて貰ったんだ。いっぱいあるから、いっぱい食べてね」


(べた褒めするあなた)


 「え?“お店できそうなくらい、美味しい”って?もう、それは......ほ、褒めすぎだよ!うん。でも、ありがと」


(美味しくて、ご飯がもう一杯欲しくなる)


 「あ、ご飯おかわり?は〜い、待っててね。大盛りでいいかな?え?そんなに食べられないって?ウフフ、わかってるよ。冗談よ、冗談」


 「んしょっと......これくらい?もう少し多めでいいって?ん.......っと、これでどう?オッケー?」


 「はい、おかわりどうぞ」


 「あなたがおかわりするなんて、よっぽどお腹が空いてたの?」


 「.......え?私と一緒にいると、より美味しくなってつい食べすぎちゃうって?もう、すぐそういうこと言うんだから、食べ過ぎて、豚さんになっても知らないよ?」


 「......たとえ、豚さんになっても、大好きなのは変わらないけど......」


(ん?なんか言った?という感じで美優を見つめる)


 「ほえ?......な、なんでもない、なんでもないよ!ほら、さ、冷めないうちに食べよ!食べよ!」


 (誤魔化すように、ご飯をかきこむ美優)


 「そういえば、昨日も遅かったの?どっかで食べてきた?」


(昨日は、遅くなってコンビニのおにぎりを買って、済ませたことを話す)


 「あ、同じだ!私も昨日の夜勤の時、おにぎり食べたよ!オーソンの『わさび香る、漬けマグロたたきおにぎり』。最近そればっかり食べてる」


 (まだ食べたことないと言う、あなた)


 「え〜まだ、食べたことないの?今度食べてみて!絶対美味しいから。食べないなんて、絶対、人生損してるよ!」


(2人とも食べ終わる)


 「ふう、ご馳走さまでした。今、お茶淹れるから待っててね」


(マグカップに淹れた緑茶を、あなたと自分のところに置く美優)


 「熱いから、気をつけてね......って、アチっ!うぅ〜舌やけどした〜。......ちょっと笑わないでよ、昔から猫舌なの少し忘れてただけなんだから!」


(食後のお茶まで、堪能したあなたは2人分の食器を下げた)


「ありがとう。私が洗い物するから、シンクの中に置いといて。あっ、私の分も下げてくれるの?ありがとう」


 (2人分の食器を下げ、綺麗に掃除されたシンクの中に入れた)


続く


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