第59話

「さて、それではダイチの乗っていたバイクという乗り物を早速出してもらおうか」


「馬車の中でも言ったように、バイクと一括りに言っても様々な種類があるので、その中から1つ選んでもらいます、渡した冊子は読んでもらいましたよね?」


「あぁ、だがどれも同じ馬無しで動く物なのだろう?どれも変わらんし、どれでもいいのだが…」


「じゃあ適当でいいんで、選んでください」


「うーむ、ヤーン、どれがいいと思う?」


「私ですか?そうですね、少し見させてもらいますよ」


そう言ってダガ陛下からバイク冊子を受け取るヤーンさん。


「…確かに、デザインが色々と違いますね、あ、これなんていいんじゃないですか?私感ですけどすごくかっこいいです」


ヤーンさんが選んだのは80万円ほどの小型バイク。


「ヤーンが選んだのならそれにしよう」


「陛下は分解出来ればいいんですものね」


「まぁな!」


ドヤるところではないと思うが。


「じゃあそれ、ということで、80万円なんで…150万ダルでどうですか?」


「いいだろう、まだしばらくジオーネにはいるのか?」


「はい、半年…はいるかと」


「なら金は後でもいいか?他にも面白そうな魔道具があるとのことだし、アインゼルに帰るときにまとめて払おう」


「分かりました、じゃあとりあえずバイク出しますね」


お金はまだまだ余裕があるので後でまとめて貰っても大丈夫だ。


「よし、では庭に行こうか」


ということで庭へと向かった。


歩きながらラ・ヴェールでさっきのバイクを探す…あった。


庭についたのでバイクを購入、出してみる。


「おぉ、これがバイクですか」


「んんん!待ちきれん!もうワシのものだよな!?分解してもいいのだよな!?」


「あはは、どうぞ、それはダガ陛下のものなので好きにしてください」


「よっしゃぁぁぁ!!!」


「あの、俺も分解するところ見てもいいですか?」


「もちろんいいぞ!」


「じゃあ見させてもらいます」


「まずは工房へ運ぼう、おい」


ダガ陛下が呼ぶと、何人かの筋肉ムキムキな獣人たちがやってきた。


「これを工房に運ぶ、手伝ってくれ」


「「「はっ」」」


獣人たちはバイクを押し…いや、担ぎ上げて持って行った。


そんな力わざで…押して行けばいいのに…。


ただ、声をかけようと思ったときにはすでに走って行ってしまっていた。


そしてダガ陛下が向かった先には工房があった。


中はめちゃくちゃ暑い。


こんな中で仕事しているのか。


「この中は暑いだろう?頼む」


するとエルフの人がなにやら魔法をかけてくれた。


すると暑くなくなった。


「この魔法はクールと言ってな、暑さが和らぐ魔法なんだ」


「へー、魔法って便利ですね」


「魔道具でもそんなことが出来たらなと思って色々と試行錯誤しているんだ」


クーラーみたいな魔道具があればいいなってことか。


あとで出してみよ。


「では、早速このバイクを分解するぞ」


バイクの分解作業が始まった。

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異世界ネット通販物語 @Nowel

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