第53話
リーベル辺境伯はすぐに張り紙を撤去することを約束してくれた。
だからといってすぐに信用が戻るわけではないが、まぁゆっくり売っていきますか。
リーベル辺境伯とガゼル様との話し合いのあと、俺はガゼル様に呼び止められた。
「さぁダイチよ、これで憂いはなくなっただろう?早速だがその商品を見せてはくれないか?」
「えぇ、いいですよ」
俺は商品を机の上に並べていく。
「ふむ、なるほど、これでどう士気が上がったというのだ?」
「これじゃないですかね、液状石鹸です」
「液状石鹸?」
「はい、これはとてもいい匂いがするうえに綺麗になるので女性兵士の士気が、女性兵士が綺麗になったことで男性兵士の士気が次いで上がったと思います」
「なるほど…これはいくらなのだ?」
「1本7万ダルです」
「7万か、その効果に比べたらまだ安いほうか」
安い方って感じるのか、俺からしたら高すぎる値段設定だと思うんだけど。
「買いますか?」
「うーん、私個人として何本か買おう。妻たちも喜ぶはずだ」
「いくつお買い求めで?すぐに出せますよ」
「ではそれぞれ…12本ずつ買おう」
「ありがとうございます、では…336万ダルですね」
「それと食器やカトラリー、コップもいくつか欲しいな、食器で柄付きのは珍しいし、なにより鏡のように綺麗だ」
「分かりました、いくつお買い求めで?」
「そこは侍従に聞こう、アンデルセン!入ってこい!」
扉が開き1人の初老の男性が入ってきた。
「いかがなさいましたかガゼル様」
「この者から食器とカトラリー、コップを買うことになった、いくつ必要か教えてやってくれ」
「ふむ、そうですね、これはガゼル様のご家族だけで使うものでしょうか?」
「いや、お前たちの分も入れて構わない」
「ありがとうございます、それでは…食器とカトラリーは200セット、コップも200個あると余裕があると思います」
「そうか、では200ずつ用意出来るか?」
「えぇ、大丈夫ですよ」
「それとダイチよ、1つ気になったのだが、ナイフは無いのか?」
ナイフ?そんな危ないもの何に…。あっ、カトラリーのナイフか。
「すみません、全然気が付きませんでした、ナイフも用意しますね」
「あぁ頼む」
あとでシエルにも送っておこう。
「それでは合計で…256万ダルです、なので石鹸の代金も合わせて…592万ダルですね」
「すぐに用意する。アンデルセン、頼んだ」
「承知しました」
そう言ってアンデルセンさんは出ていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます