第48話
駐屯所を出発し5時間ほどすると街の外壁が見えてきた。
手前でバイクを収納にしまい、門へ向かう。
「止まれ、身分証を確認させてもらう」
俺は門兵さんに身分証を見せる。
「ん?お前ルベルからの者か」
「え?よく分かりましたね」
「身分証の背景にはうっすらと国の紋章が描かれているからな」
そう言われ身分証をじーっと見てみると確かに何かの鳥の紋章が描かれている。
「ルベルはそのカルオンを神鳥として祀ってるからな」
「へー、カルオンって言うんですね、この鳥」
「なんだ?お前ルベルの民じゃないのか?」
「あー、このギルドカードを作ったのはルベルですけど、生まれも育ちも全然違うところですね」
「ふーん、そうなのか、おっと、長く引き止めて悪かったな、通っていいぞ、ようこそリーズルの街へ」
門兵さんと別れリーズルの街へと入る。
うん、ルベルの街とそんなに変わらないな。
まずは商業ギルド、その後に宿を20日取る、そして明日は市場、慣れたもんだな。
そして露店を出して10日ほど経ったある日、俺は領主邸に来ていた。
うん、これも慣れたもんだよ。
「カネダ商会?聞いたことのない商会だな」
「ルベル王国にまだ一店舗しかありませんから」
「そうなのか、して、その石鹸だが定期的に欲しいのだが」
「うーん、私もどこか1箇所に留まっているわけではないので、難しいですね」
「そこをなんとかするのが商人だろう?」
「そんなこと言われても無理なものは無理ですね」
「…貴様それでも商人か?」
「欲しいならルベル王国王都にあるカネダ商会に買いに行けばいいじゃないですか、私はただの露店商人ですから」
「カネダ商会のオーナーなんだろう?なんとかせよ」
「無理です」
「分かった、もういい!ダイチと言ったな、貴様のことよーく覚えておくからな、出ていけ!」
ガドゥル国一発目からこれですか、困ったもんだ。
その後、露店にお客さんが来なくなってしまった。
絶対あの貴族のせいだな、たしかロベルト・リーベルって言ってたよな、俺も覚えておこ。
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