第32話
従業員募集締切まであと1週間というとき、王城から騎士がやってきた。
バールドさんの商品値段決めが終わったのかな?
騎士に連れられ王城のいつもの部屋へ。
しばらく待っているとバールドさんがやってきた。
「やぁダイチ、遅くなってすまないね」
「いえいえ、そんなことありませんよ」
「この世界のものではないものの値段を決めるなんてやったことがないからね、難航したよ」
「それで、全部決まりましたか?」
「もちろんだ、でなければ呼ばないよ、さて、では早速値段決めといこうか」
バールドさんが1枚の紙を出した。
「私が決めた値段はこうだ、見てくれ」
食器は1つ3000ダル、3つセットで9000ダル。
スプーン、フォークはセットで2000ダル。
洗濯バサミ、ハンガーは1つ300ダル。
洗濯用洗剤はボトルの価値2万ダルも加えて4万ダル。
食器洗い用洗剤もボトルの価値を加えて4万ダル。
ティッシュは5箱セットで1万ダル。
トイレットペーパーは12ロール2万ダル。
ボディソープ等液状石鹸はボトルの価値も加えて各7万ダル、ということになっていた。
「これは…なかなかお高い価値になりましたね」
「それだけのもの、ということだ、妻も喜んでいた」
「ありがとうございます、これを参考にします」
「うむ」
しかし、こうすると平民向けの商品が無いよな。
普通の石鹸も出してみよう。
ラ・ヴェールから普通の石鹸(10個入り1000円)を購入。
「バールドさん、この石鹸はどうですか?」
「ん?普通の石鹸か、しかし、獣臭くないな。うーん、使ってみないことには分からないが、1万か2万ダルといったところだな」
「そうですか、ありがとうございます」
1、2万ダルなら平民の方も買ってくれるかな。
「それでは、私もこの後用事があるのでな、ここらで失礼する、代金はこの箱の中に入っているからな」
「あ、はい、ありがとうございました」
「ダイチの商会、楽しみにしているよ」
そう言ってバールドさんは部屋を出ていった。
さて、値段は決まったし、あとは従業員だな。
どのくらい集まってるかなぁ。
そして1週間後、募集締切の日になった。
俺は商業ギルドへ行きどのくらい集まったのか、面接の日がいつなのかを聞く。
受付嬢にマリアさんを呼んでほしいと言い、しばらくするとマリアさんがやってきた。
「こんにちはダイチさん」
「こんにちはマリアさん、結局どのくらい集まりました?」
「最終的に58人が募集にきました」
おぉ、最低5人欲しかったのに10倍以上来たのか。
「それで、面接の日はいつ頃がいいですかね?」
「面接は基本、締切の翌日と決まっていますので明日のお昼頃ですね」
「分かりました、ではお昼になる前に来ます」
「お願いします」
そして次の日、面接の日になった。
商業ギルドに着くと受付の近くにマリアさんがいたので話しかける。
「こんにちはマリアさん」
「こんにちはダイチさん、では面接部屋に向かいましょう」
そのまま1階の奥の部屋へと進む。
「ここが今回使うことになる面接部屋です」
「貸してくださりありがとうございます」
「いえ、ではあと1時間ほどで集まると思うので、部屋の中で面接の準備をお願いします」
準備、何を聞くかとかか。
面接官側になるのは初めてだけど頑張るぞ!
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