第30話
次の日、宿から再び店へやってくる。
宿はあと1週間あるからその間に自分の部屋は作り終えておきたいよね。
まぁすぐに終わると思うけど。
自分の部屋に行きラ・ヴェールを開く。
必要なのはベッド、机、椅子、あとクローゼットかな。
ベッドは適当なやつを買うと背中がバキバキになっちゃうからちゃんとしたのを買おう。
ベッドと検索し、色々と見ていく。
ちょっとお高めだけどこれにしよう。
シングルベッド、マットレス付き(38690円)を購入。
そしてそれを部屋の角へ…重。
頑張って部屋の角へ。
よし、移動完了。
次に机と椅子のセット(15800円)を購入。
最後に洋服も入れられるクローゼット(21600円)を購入。
それも移動させて部屋完成!
うん、なかなかいい感じだ。
住み込みの従業員の部屋も作ってあげたいけど、ポイントガンガン減っていくな…まぁでも仕方ない。必要経費だと思って我慢しよう。
えっと、この部屋を作るのに使ったのは…77000ポイントくらいか。
残りのポイントは…80万ポイントくらい。部屋はあと9室だから70万ポイント…うわぁ、だいぶ使っちゃうな。
でも仕方ない、投資だと思って買おう。それにポイントはまた貯めればいいだけだしね。
俺はそれぞれの部屋を回って同じ商品を購入、移動、設置した。
全ての部屋を作るのは少し大変なので今日は2階だけにして、明日明後日で3階をやることにした。
そして2日後、全ての部屋が作り終わった。
「ふぅ、これで住み込みの従業員の人にも喜んでもらえるかな」
その次の日、1人の騎士さんが店にやってきた。
コンコン。
「ダイチ殿はいるだろうか」
「はいはい、いますよ」
「王がダイチ殿をお呼びだ、ついてくるように」
そう言われ騎士さんについていくことに。
ん?この店のことマーカス様に言ったっけ?
会ったら聞いてみよ。
そうして王城に着き部屋に通され待つことに。
しばらくするとマーカス様と1人の男の人が入ってきた。
「待たせたなダイチ」
「いえ、大丈夫ですよ、そちらの方は?」
「紹介する、商務大臣のバールドだ」
「初めましてダイチです」
「初めましてダイチ、バールドだ」
「そうだ、マーカス様にひとつ聞きたいことがあるんですけど、俺店、というか土地買ったこと言ってませんよね?なんで分かったんですか?」
「商業ギルドに聞いただけのことだ」
個人情報よ…まぁ王様からって言われたら仕方ないことか。
「それで、今回呼んだ理由は?」
「土地を買って従業員の募集もかけた。あとやることと言えば商品を仕入れて並べることだろう?ダイチは商品については相談したいと言っていたからな」
「あぁ覚えていてくれてたんですね、ありがとうございます」
「もちろんだ、我が王家も利用することになるであろう商会だからな、大まかな商品は決めているのか?」
「はい、露店のときに売っていた食器、スプーンフォーク、コップ、洗濯バサミ、ハンガーは売るつもりで、あとは洗濯用洗剤、食器洗い用洗剤、ティッシュ、トイレットペーパー、ボディソープ、シャンプーなどを売るつもりです」
「結構な量のものを売るのだな。ちなみに最後のしゃんぷーとはなんなのだ?」
「シャンプーはいわゆる石鹸ですね、液状石鹸です」
「ほぉ、そんなものまであるのか」
「売る予定の商品は一通り渡すので、値段決めをお願いしていいですか?」
「うむ、それはバールドに任せるつもりだ」
「バールドさん、よろしくお願いします」
「任せてくれ」
「値段が決まったらその値段で渡されたものを買い取るから安心してくれ」
「俺としては実験させてるみたいなんで、差し上げてもいいんですけど」
「そんな訳にはいくまい、ただでさえあの自転車をもらったばかりだからな」
「分かりました、そう言うのであればありがたく頂戴します、では一通り渡しますね」
俺はさっき言ったものを一通り出し、バールドさんに渡した。
「では、値段決めはお任せください」
「よろしくお願いします」
バールドさんは早速使ってくれるようで、部屋から出て行った。
「さてダイチよ、従業員の方はどうだ?」
「20日後、今からだと17日後ですね、に締切にしたんで、そのときに分かるかと」
「そうか、集まるといいな」
「そうですね、そういえばマーカス様、バイクはどうしました?」
「バイクか!最近ようやく乗れるようになってな!あれ以降楽しくて楽しくて仕方なくて、暇があれば乗っているぞ!馬より早いし何より自分の意思で動く!これ以上に面白いものはないな!」
めちゃくちゃ好評でよかった、この人に車なんて与えた日にはどんなことになるか。
まぁ車を買うことは無いと思うけど。
「それは良かったです、そうだ、マーカス様もシャンプー使ってみますか?」
「ん?石鹸か、異世界の石鹸、確かに魅力的だな」
「値段が決まったあとで払ってもらえればいいんで、渡しますよ、奥様にプレゼントとして渡してもいいですよ」
「そうか、ではありがたくいただこう」
俺はラ・ヴェールからさっきバールドさんに渡したものと同じものを渡す。
「早速メリスに渡してくる。ではなダイチ、バールドから連絡が来たらまた騎士をそちらに向かわせる」
「分かりました」
そうして俺は王城を後にした。
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