第29話
商業ギルドを出て買った土地にやって来た。
店の中、1階は空っぽだ、何も無い。
2階は部屋が4室とトイレ、風呂、ダイニングキッチンが1つ。
3階は部屋が6室とトイレ。
風呂があるのはとてもありがたい。
まずは俺の部屋、部屋はどこも広さ的には一緒のようなのでどこを選んでも変わらなさそうだ。
ということで2階の角部屋にした。風呂も近いしね。
そして次に1階、店として1番重要な部分を装飾していく。
あるのは会計台のみ、棚などは全て無い。
ということで棚を購入する。
ダルで購入するのは、今後のことを考えて無しだな。
ということで久しぶりにポイントで購入することに。
そしてラ・ヴェールを開きポイントを見ると、1つ気付いた。
なんか、ポイント増えてね?
あれ?最後に見たときは50万ポイントくらいだったはずなのに、今は123万ポイントほどある。
どういうことだ?いや、確かラ・ヴェールのポイントって現金のみで購入したとき、購入金額の1割がポイントとして返ってくるってシステムだったよな。
だとしたら…大雑把な計算だが合ってると思う。
おぉ、これはいい事を知れたぞ。
とりあえず、棚と広いテーブルをポイントで購入する。
棚は仕切りが動かせるやつがいいよな。
調べて色々と見る。
お、これなんかいいんじゃないか?組み立て式だけど、高さが1m50cmで横が80cmの仕切りが動かせるやつ。
棚(15800円)を8つ購入。
それを組み立てながら壁際に置く。
1時間後、全て組み立て終える。
うん、なんかこれだけでも店!って感じがするな。
次にテーブル。
うーん、なかなかいいのが見つからないな。
テーブルじゃなくて長机で検索してみよう。
会議用の机が出てきたな、でもちょうどいいかもしれない。
会議用長机(9850円)を4つ購入。
2つずつ合わせて店の真ん中を空けた左右に置く。
うん、なかなかいいな。
あとは机が動かないように固定するもの…滑り止めでいいか。
滑り止め(8個入り880円)を2つ購入。
机の足の下に置く。
うーん、こうすると棚を固定するものも欲しいなぁ。
店の壁にちょっと穴を開けることになるけど、安全には変えられないな。
棚用の固定器具(10個入り1200円)を2つとツールセット(24600円)を購入
棚を壁に固定していく。
ふぅ、あとは商品を置いて…あ、会計するときにレジがあったら楽かな。
業務用レジスター(74380円)を1つ…いや、2つ購入。
会計台へと置く。
よし、こんなもんだろ。
まだ棚や机を置くスペースはあるが、模様替えはいつでも出来るし、とりあえずはこんなものだろう。
あとは商品と値段、従業員だな。
…従業員ってどうやって募集するんだろ?
そのとき、扉がコンコンと鳴った。
「はいはい」
扉を開けるとそこにはマリアさんがいた。
「こんにちはダイチさん、改めてダイチさん担当になりましたマリアベルです。よろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いします」
「早速準備をしてたみたいですね」
「えぇ、1番重要なところですからね、あ、マリアさん」
「はい」
「あの、従業員ってどうやって募集するんでしょうか?」
「従業員募集ですか、長期で働く人を雇うなら商業ギルドで、短期で働く人を雇うなら冒険者ギルドですね」
「じゃあ商業ギルドに頼めばいいんですね」
「はい、もし忙しいようでしたら私が代わりに募集をかけておきますが?」
「本当ですか?じゃあお願いしようかな」
「はい、ちょっと待っててくださいメモを用意するので…はい、ではまず募集人数ですね、どれくらい雇う予定ですか?」
「そうですね、最低でも5人は欲しいかなと」
「はい、では仕事の内容ですね」
「仕事は接客と会計なのでそこまで難しいことはないと思います」
「いえ、会計は計算が出来る人でないといけないのでだいぶ絞られると思いますよ」
「あぁ、うちはレジがあるんで、計算が出来なくても大丈夫ですよ」
「レジ?」
「はい、あれです」
俺は会計台にあるレジスターを指す。
「これは…なんでしょうか?」
「レジスターと言って、まぁ簡単に言えば計算機ですね」
「えっ!?計算機!?なんでこんな高価なものが」
「まぁ少し伝手がありまして」
「そ、そうなのですね、では簡単な計算が出来る者で募集をかけておきます」
「お願いします」
「最後に、給金ですね、これが1番重要な部分かと」
「給金かぁ、ちなみに王都での平均は?」
「そうですね、働く時間にもよりますが大体1日6000ダルから12000ダルが多いですね」
「では1万ダルで出しておいてください」
「分かりました、ではこれで募集をかけておきます、締切はいつにしますか?」
「20日後にしてください」
「分かりました、では失礼しますね」
「あ、そうだ、住み込みも可能って書いておいてください」
「分かりました、ではこれでかけておきますね」
「はい、お願いします」
そう言いマリアさんは戻って行った。
さて、どれくらい来てくれるかな。
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