第26話
王城にお呼ばれした日から1週間が経った。
商品の売れ行きは段々と落ちていったが、まぁ仕方のないことだ。
俺の売っている商品は無くすか壊れるかでもないと新しく買わないものだしな。
新しい商品を追加したいが、追加したものがこの世界で高価なものだったりしたら困る。
うーん、と悩んでいると前から騎士がやってきた。
「こんにちは、ダイチさんであってますか?」
「はい、俺がダイチですけど」
「王がお呼びですので、ついてきていただけるとありがたい」
マーカス様か、自転車に乗れたのかな?
俺は騎士に連れられまたもや王城へ。
部屋…ではなく庭に連れていかれる。
そこには自転車を乗りこなしているマーカス様がいた。
「おぉダイチよ!見ろ!乗れるようになったぞ!」
すげぇな、たった1週間で乗れるようになるとは。
「おめでとうございます、じゃあ次は原付ですね」
俺はラ・ヴェールから安い原付と手袋、ヘルメットを購入(合計97800円)
「ほぉ、これが原付なるものか」
「バイクと違って操作方法が簡単ですから、まずヘルメットと手袋をして」
「うむ、したぞ」
「あとは鍵を回して、そこのセルスターターって言うボタンを押します」
「お、おぉ!なにやら動きだしたぞ!」
「あとは右手を手前に回します」
「手前に?」
「こうです、こう」
「おぉ!動いたぞ!」
「止まるときはレバーを握ってください」
「なるほどな!これは面白い!」
そのまま庭を走り回るマーカス様。
しばらく走り回ったあと、戻ってきた。
「これはなかなか面白いな!」
「馬車と違って自分の意思で動きますからね」
「これはいくらするんだ?買おう」
「そうですね、20万ダルでどうでしょう」
「なんだと!?」
やば、高くしすぎたか?
「そんなに安くていいのか!?」
あ、逆だった。
「えぇ、20万ダルで買ってもらえれば利益は普通にありますから」
「そうか、すぐ準備させよう」
マーカス様がそばにいた騎士に準備するように伝える。
「それで、ダイチの持っているバイクだが、これで私にも乗れるか?」
「うーん、バイクは原付とだいぶ操作方法が違いますからね、とりあえず練習してみます?」
俺は収納から自分の大型バイクを出した。
そしてマーカス様にエンジンの始動方法、クラッチ、半クラッチ、ギアチェンジ、停止方法などを一通り教えた。
「うむ?うーん?」
マーカス様は難しい顔を終始していた。
「とりあえず乗ってみます?」
「うむ、そうだな」
バイクに乗るマーカス様、エンジン始動、そして発進…エンストしたな。
「私には難しいようだ…」
「まぁ初めてですから」
ラ・ヴェールに確かバイクの教習本があったはず、それを渡しておこう。
バイクの教習本(1100円)を購入。
マーカス様に渡す。
「これで勉強してください。あと練習するためにバイク、買いますか?」
「もちろん買おう!」
「どんなやつがいいですか?俺のは大型バイクですけど、小型バイクってのもありますよ」
「大型を買おう」
「分かりました」
俺は更にラ・ヴェールでバイクのカタログを買う。(1980円)
「この中から好きなの選んでください」
「うむ」
時間がかかりそうだということなので庭にテーブルと椅子を用意してもらい、お茶と菓子をもらった。
30分後、どうやら買うバイクが決まったようだ。
「これにしよう」
「分かりました」
ラ・ヴェールで検索すると166万円のものが出てきた。
「では200万ダルで取引しましょう」
「うむ、それもすぐに準備する」
マーカス様用の大型バイク(166万円)を購入。
その後使用人さんからバイク2台の代金として箱に入った金貨2枚と半金貨2枚をもらった。
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