第23話

次の日、朝早くから市場に行き、物の相場を調べる。


しかし流石は王都だ、今はまだ朝の8時だというのにすでに市場は活発。


空いてる場所もほとんどない。


まぁ俺の屋台は結構小さめだから無理やり入ろうと思えば入れるけど。


しばらく見て回り、あまり人が来ないような場所も見て回った。


そうしてやっと見つけた、空いてそうな場所。


「ここ空いてます?」


「隣?空いてるよ」


よっしゃ、早速裏路地に入り屋台を出し押して行く。


屋台の影に隠れ収納から商品を出したら完成。


あとは待つのみ。


相場を見た感じ、ラライエやヌーベルよりも高めに値段設定をしても大丈夫そうなので値段を変える。


食器は1つで買う人がいなかったのでセット売りで2500ダル

スプーンとフォークはセットで800ダル

コップは600ダル

洗濯バサミは150ダル

ハンガーは250ダル


とこんな感じにした。


しばらく待っていると。


「あら、この食器綺麗ね、いくら?」


お、王都でのお客さん第1号が来た。


「そちら3点セットで2500ダルです」


「あら、もっと高いのかと思ったわ、4セットちょうだい」


「はい、ありがとうございます」


よし、売れた。あとは噂やクチコミ頼りだ、なんせ俺自体に商人の気質は無いからな!


…いや、胸を張ることではないんだけどね。


そこからは流石は王都と言うべきか、ちょこちょことお客さんが来た。


3時の鐘が鳴り閉店することに。


屋台出したばかりなのに30人近く来たな。


この調子ならどんどん売れていきそうだ。


次の日からも俺は精力的に日用品を売っていった。


何回も言うがさすがは王都、人の数が尋常ではない。


売上もすでに500万ダルを超えた。


仕入れも倍の数用意しても足りないくらいだ。


そして2週間が経とうという頃、またもやお貴族様の使いっ走りが来た。


内容は商品を全て私に卸せ、仕入れ先も教えろ、とのこと。


王都にもいるんだ、いや?王都だからいるのか?


もちろん断った。


断った次の日。


「この店の商品は粗悪品です、皆さん買わないように!」


と、明らかな嫌がらせが始まった。


まぁ俺としてはだいぶ稼いだほうだし、王都を去るのもいいかな。


そう思っていたそのとき。


「貴様!何をやっている!」


衛兵らしき人がやってきた。


「え?いや、あの、これは、その」


「貴様をこの店の営業を妨害した罪で捕縛する」


「すみません!待ってください!間違いなんです!」


その男は連れて行かれた。


良かった、また街を出ていくところだった。


宿は30日で取ってあるからな、もったいない。


すると衛兵の1人がやってきた。


「失礼、貴方はダイチ様でいらっしゃいますか?」


「え?えぇそうですけど」


「そうですか、実は王命でダイチ様を見つけたら連れてくるように言われていまして」


ふーん、王命ね………王命?王命!?


「え?あの、え?王様がってことですか?」


「えぇそうです」


「わ、分かりました」


まさかの王様にお呼ばれです。何も無いといいけど…。




馬車に揺られること1時間、王城に着いたようだ。


でっけぇ…なんだこれ、日本でそれなりに何とか城とか見てきたけど、それ以上にでかい。


扉もでかい、中も広すぎる。なんだこれ?本当に城って言葉が似合うな。


そのまま部屋に通され待つことに。


王様、どんな人なんだろう。

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