第22話
盗んだバイクで走り出す~。
いや、盗んではないんだけどね。
ヌーベルの街から走り出すこと1時間、周りが暗くなってきた。
今日は野宿かな。
いつの日か使っていたテントやら寝袋やらを取り出す。
そしてこちらもいつの日か使っていたパズルを取り出す。
まだ完成してなかったんだよね。
だ、だって、ほとんど白と青なんだもん!分かるわけないじゃん!
いや、買ったのは俺なんだけどね。
そして数時間悩んだあと、結局数十ピース当てはめただけでおねむの時間に。
次の日、朝早くから出発。
王都に向かっているからだろうか、馬車をよく見かけるようになった。
その横をビューンとバイクで走り去る俺。
噂になったりして。なわけないか!あはは!
6時間ほどバイクを走らせると大きな街が見えてきた。
あれが王都かな。
バイクを収納にしまい門へと向かう。
門に着くとその前にはながーい行列が。
これもしかして検査待ちってやつか?
大人しく待つことに。
…………長い、待ち時間が長い!
もう3時になる頃。
もしかしてここでもう一泊することになる?
俺は前の人に尋ねることにした。
「あのー、すみません、もしかして王都に入るのって野宿しなきゃいけないんですかね」
「ん?お前王都に来るのは初めてか?そうだぞ、王都は警備が厳重だからな、2日3日待つのは普通だぞ」
マジか。
「でも冒険者とか商人ならあっちの門から行けるんだよ」
と指指した方にはもう1つ門が。
「え?商人ってもしかしてギルドカード持っていればいい感じですか?」
「あ、その顔はお前新人の商人だろ、あぁ商人のギルドカードがあればあっちから通れるぜ」
なんと…数時間無駄にしたというわけか。
「すみません、ありがとうございます、俺あっち行ってきます」
「あぁ、気を付けろよ」
そうして向こう側の門へ行くと30分ほどで王都に入れた。
王都に入る前に門兵さんに「ダイチ?ラライエの街にはいたか?」と聞かれた。
もしや王様に報告があったから探されてる?いや、そんなわけないか?
それよりも完全にやった、知らなかったとはいえ数時間を無駄にしたのは完全にやった。
まぁ仕方ない、切り替えて行こう。
まずは宿、の前に商業ギルド探しだ。
道行く人に商業ギルドの場所を教えてもらい見つけた。
中に入り受付嬢に、と思ったが、さすがは王都、商業ギルドも活発なようだ。
数十分待ち俺の番に。
「初めて王都に来たんだが、市場での露店に許可はいるか?」
「はい、許可証を発行しているので、そちらを見えるところに置いてください、それと許可証の発行に1万ダルが必要です」
と1枚の紙を渡された。
書類にサインをし、銀貨と一緒に渡す。
「はい、ではこちらが許可証になります」
「どうも」
さて、許可証は収納に入れて。
「あと、ここら辺でいい宿ありますか?」
「宿ですか?オススメはマート亭ですね」
「マート亭ね、ありがとう」
商業ギルドの外に出てまた道行く人に今度はマート亭の場所を聞く。
30分ほどして見つけた、マート亭。
扉を開け中に入る、受付には15歳くらいだろうか、女の子がいた。
「いらっしゃいませ、食事ですか?泊まりですか?」
「素泊まりでとりあえず30日お願い」
「はい、では9万ダルですね」
俺は半金貨1枚を出す。
「はい、では銀貨1枚のお返しです」
さて、宿は見つけた、あとは市場の相場調べだな。
ご飯を炊くのはもう面倒なのでお弁当12個セット(6810円)を買いレンジで温めて食べる。
うまうま。
さて、明日からまた忙しくなるぞ。
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