第19話

ラライエの街を出発して1時間、分かれ道を見つけた。


確か右だったよな。右に曲がる。


道が凸凹しているせいでスピードは出せないが、馬車よりは早いだろう。


疲れ知らずだし。


そのまま進み続けること2時間、少し休憩することに。


バイクを買ったときの余ったお金でパンの詰め合わせと即席スープ、チャッカマンと薪と焚き火台と耐熱ポットを買う。


焚き火台に薪とそこら辺に落ちている草を置いて火をつける。耐熱ポットに水を入れ沸騰させる。


余った商品の食器に即席スープとお湯を入れスープの完成。


うーん、米…米が食べたいな。


次の街に着いたらちょっと考えてみよう。


食べ終わり全てを収納に片付け再出発。


そういえばどのくらいで次の街に着くとか聞かなかったなぁ、ま、そのうち着くだろう。


再出発し4時間すると街が見えてきた。


おや、意外と早く着いたな。


馬車だともっとかかるんだろうか。


とにかく、暗くなる前に着いてよかった。


バイクを収納にしまい歩いて門へ行く。


門兵に身分証を見せ街の中へと入る。


この街では身分証があっても入門料を取るらしく、3000ダル払った。


とりあえず入れたし、まずは宿屋探しだ。


市場はもう時間的にやっていないので自力で宿を探す。


基本的にギルドに近いところはしっかりしてるって誰かが言ってたよな。


ということでまずは商業ギルドを探す。


道行く人に商業ギルドの場所を聞きながら30分ほどで着いた。


中に入り受付嬢に話しかける。


「この街で露店を開きたいんだが、許可は必要か?」


「露店の場合、特に許可は必要ありません」


「そうか、ありがとう、ついでに宿を探しているんだが、オススメの場所はあるかな?」


「宿ですか?そうですね、ここを出て左に行くとヨークの宿ってところがあるので、そこがオススメですよ」


「ありがとう」


早速そのヨークの宿というところへ行く。


20分ほどするとヨークという看板が見えた。あれかな。


宿に着き中に入る。


受付には恰幅のいい女の人がいた。


「いらっしゃい、食事かい?泊まりかい?」


「素泊まりで30日お願いします」


「はいよ、なら6万ダルだね」


俺は銀貨6枚を出した。


「ちょうどね、部屋は3階の2号室だよ」


「ありがとう」


部屋に行きこの街に来るときに思っていた米事情を解決させることに。


まぁ言っても飯ごうで炊けばいいだけの話なのだが。


ラ・ヴェールを開き炊飯器を探す。


500万ダル、今は370万くらいだが、稼いだので炊飯器を買うくらいのお金はある。


もし無駄になったとしても、このラ・ヴェールが異世界仕様ではないという証明になるからな。


炊飯器(7980円)を購入。


箱の中には炊飯器だけしかなかった。


コードがない…?


いや、そもそも繋がるところすらない。


コードレスを買ったわけではない。


動く…のか?これで?


とりあえず米5kg(3640円)を購入しこの炊飯器が使えるのか確かめる。


米を研ぎ入れ水を入れる。


そしてスイッチオン。


お、動いた、マジか。


ということはこの俺のギフトであるラ・ヴェールは異世界仕様になっているってことだ。


電気やガソリンを使わないなら何を使うんだ?


思い当たるのは魔素だよなぁ。


異世界ならあるあるなやつ。


俺魔法使えなさそうだけど。


つまりこれは魔道具という扱いになるのか。


この世界のものでも作れるって話になったらこれがオリジナルになるわけだから、大変なことになりそう。


のんびり暮らしていたいけどお金は必要だからなぁ。


まぁ貴族のあれこれに巻き込まれたらそのとき考えよう。

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