異世界ネット通販物語

第20話

1時間後、ご飯が炊けた。

この1時間の間にラ・ヴェールでレンジと中濃ソース、おかずとしてコロッケを買った。

レンジは炊飯器と同じくコードがなかった、が普通に使えた。

ご飯とコロッケと即席スープ、いただきます。

…うめぇ、やはり米は最強か。

コロッケも美味い。コロッケには中濃ソースが合うな。

食べ終わり使ったものを収納へとしまう。

さて、あとは市場で売るものだな。

食器(お椀、小皿、中皿 3点10セット 12600円)を30個

コップ(6個セット 1200円)を50個

スプーンとフォーク(10点5セット 1500円)を60個

洗濯バサミ(10個入り 350円)を100個

ハンガー(30本組 1980円)を40個

仕入れ値は642200円、全部売れるかは分からないが、ラライエの街の感じから見るに売れるには売れるだろう。

明日市場に行ってからだな。

次の日、市場へと向かい一通り見て回る。

うん、ラライエとそんな変わらないな。

あとは屋台を出す場所だが…。

「隣、空いてます？」

「商人か？あぁ空いてるぜ」

「ありがとう」

いいとこ見っけ。

人目の無いところへ行き屋台を出す。

屋台を押しさっきの場所へ。

商品を並べる。

あとは待つ。

すると隣で武具を売っていた男の人から声をかけられた。

「あんた収納スキル持ちか？」

「え？なんでそれを」

って、確かアレスさんが魔力の流れが見える人には分かるって言ってたっけ。

「俺は元冒険者だからな」

「そうでしたか」

「珍しいスキルに珍しい商品、ちょっと気になったもんでな、どこで手に入れてるんだ？それ」

「あー、まぁちょっとした伝手がありまして」

「ははっ！わりぃわりぃ、商人が商品の秘密をバラすわけにはいかねぇよな、俺も買っていいか？」

「えぇ、どうぞ」

隣の人は売っている商品を1式2セット買った。

「ありがとうございます」

「いや、こっちこそ、いい買い物をした」

その後、お客さんはぼちぼちと来たが、全員で6人だけだった。

この人たちがうちの商品を宣伝してくれますように。

次の日、屋台を押し昨日の場所へ。

さて、待ちの時間だ。

お昼になる頃、お客さんがちょくちょくと来始めた。

「あら、安いわね、買っていくわ」

「この柄、素敵ね」

「これ、何で出来てるのかしら…」

「ありがとうございました」

隣は…。

隣は武具屋だから男の客が結構多いみたいだ。

客層が違うし、迷惑をかけることはないだろう。

そして周りが屋台を片付ける頃、俺も屋台を片付ける。

皆3時の鐘が鳴ると閉め始めるみたいだな。

この世界では朝の8時、昼の12時、昼の3時、夕方の5時に鐘が鳴る。

まぁ俺はこの腕時計があるから細かい時間も分かるんだけど。

そうだ、置時計なんか売ったらいいんじゃないか？

どうやって動いているのか未だに分からないけど。

確か置時計の魔道具があったよな、宿屋で見たし。

明日あたり店を早く閉めて魔道具店に行ってみよう。

次の日、今日は魔道具店に行きたいので1時には閉めたい。

そう思っていたのに増えるお客さん。

うーん、並んでもらっているのに閉めるのは心が痛むなぁ。

ということで結局魔道具店に行くのは3日後になってしまった。

ちなみに仕入れた商品は全部売れました。

魔道具店に着き商品を見る。

火をつける魔道具に水を浄化する魔道具。

不純物を取り除く魔道具なんてものもあるのか。

お、あった、置時計の魔道具。

値段は…50万ダルかぁ…50万！？

たっけぇ…置時計なんてラ・ヴェールなら1000円で買えるぞ…。

とりあえず、魔道具類はあまり表に出さないでおこう。