第11話
商業ギルドを後にし、市場へと向かう。
市場に着きもう一度見て回る。
こうして改めて見ると、ちょこちょこ間というか空きがあるんだよな。
ここに勝手に店を出していいものかどうか。
こういうときは人に聞くのが1番、ということでさっき来た串焼き屋のところへ。
「らっしゃい!ってさっきの兄ちゃんじゃねぇか、どうしたんだ?」
「いや、美味しくてもう1本欲しいなと」
言いながら200ダルを渡す。
「ははっ、嬉しいこと言ってくれるじゃねぇか、ほらよ」
「ありがとう、ところで聞きたいことがあるんだがいいか?」
「おう、なんでも聞いてみろ」
「俺もここで店を出したいんだが、ルールみたいなものってあるのか?」
「ルール?そんなものは無いよ、どの場所でどんなものを売ろうがそいつの勝手だ、だがここに長く腰を置いてるやつの固定場所を取っちまったらめんどうな事になるから、それだけは気を付けろよ」
「そうなのか、空いてる場所ってのは分からないのか?」
「昼前が1番人が来るからな、そのときに空いてる場所は基本誰もいねぇってことだ。参考にするといいぞ」
「そっか、ありがとう、串焼き美味しかったよ」
「おう!また食べに来いよ!」
串焼き屋に別れを告げ腕時計を見る。
10時ちょっと過ぎか、昼前だから11時くらいになれば分かるかな?
とりあえず暇つぶしにまた見て回ろう。
しばらく見て回ると人の数がさっきよりも多くなってきた。
それにつれて出ている店も少し増えた。
さて、空いてる場所を探しますか。
と言っても空いてる場所はどこも人通りが少ないところなんだけどな。
もう一度見て回るとアクセサリーを売ってる店の隣が空いていた。
ここ良くないか?
そのアクセサリーを売っているおばあさんに聞いてみる。
「すみません、店を出したいんですけど、ここって空いてますか?」
「隣かい?あぁ空いてるよ」
よし、じゃあここに出すか。
善は急げだ。
ラ・ヴェールから屋台を探す。
組み立て式の屋台(52800円)を見つけた。
これにしよう。
人目につかない場所でその屋台を購入、重いけど頑張って運ぶ。
さっきの場所へ戻り屋台を組み立てる。
しばらくして組み立て終わる、キャスター付きの移動出来る便利な屋台だ。
あとは売るものだな、屋台の影でラ・ヴェールを開く。
食器(お椀、小皿、中皿 3点10セット 12600円)
コップ(6個セット 1200円)を2つ
スプーンとフォーク(10点5セット 1500円)を2つ
洗濯バサミ(10個入り 350円)を10個
と、とりあえずこんなものでいいだろう。
値段設定は食器が1つ800ダル、3点セットで2000ダル。
コップは1つ400ダル。
スプーンとフォークは1セット500ダル。
洗濯バサミは1つ100ダル。
こんなところかな。
それぞれを屋台に並べてあとは待つだけ。
誰か買ってくれるかな。
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