第8話

商業ギルドに行く前に裏路地に入り売るものを出す。


こういうときは大体調味料が売れると異世界小説で習った。


ということで黒胡椒1kg(2980円)と白砂糖1kg(520円)を購入。


袋ごと持っていこうかと思ったが、袋について聞かれると困るで別の容器に入れて持っていくことに。


蓋付きのガラス容器(2100円)を2つ購入、それぞれに黒胡椒と白砂糖を詰められるだけ詰めて余りは収納にしまった。


そして商業ギルドに着く。


まだやってるかな?


扉を開け中に入る。


中は冒険者ギルドとは違い、静かだった。


左右に2階へと上がる階段があり、その真ん中に受付がある。


受付にはまだ人がいた、良かった。


俺は受付に向かい受付嬢に話す。


「あの、ここって買取もやってますか?」


「はい、やっておりますよ」


「では、こちらを買い取ってほしいのですが」


言いながら黒胡椒と白砂糖を出す。


「え!?お客様、収納のスキルをお待ちで…?」


「え?あぁはい、もしかして珍しいですか?」


「えぇ、そうですね…」


マジか、あまり人前では使わないようにしておこう。


思いながら黒胡椒と白砂糖を渡す。


「こちらは…胡椒ですか?それとこちらの白い粉はなんでしょうか?」


「砂糖です」


「え?砂糖ですか?」


とても驚いた表情をされてしまった。


もしかして白砂糖は珍しいのか?そういや黒糖が普通、なんて話もあった気が…。


「すみません、私の方では判断しかねますので担当のものを呼んできます。少々お待ちください」


と言って受付嬢は上の階へと上がって行った。


しばらく待っていると先ほどの受付嬢ともう1人、男の人が降りてきた。


「すみません、お待たせしました、私今回お客様の担当をさせていただきます、マイクと申します」


「初めまして、ダイチです」


「それではダイチ様、お部屋の方へ案内いたします」


そう言われ2階の部屋へと案内された。


部屋に入るとマイクさんが奥のソファへ座ったので俺は手前のソファに座る。


「それでは、ダイチ様が持ってきてくださった黒胡椒と砂糖を見せていただけますかな?」


「はい」


さっきの受付からそのまま持ってきた黒胡椒と砂糖の入った容器を渡す。


「ふむ、胡椒の方は…なるほど、砂糖の方は見たことが無いですね、少し舐めてみてもよろしいですかな?」


「えぇ、どうぞ」


「では、…なんと!確かに砂糖ですな、それに上品な甘さだ。なるほどなるほど、そうですか…これほどの物、どちらで手に入れたのですか?」


「えぇっと、私の故郷の物ですね、もう故郷には帰れなさそうですけど」


「そうでしたか、失礼なことを聞いてしまい申し訳ありません。しかし、これほど素晴らしいものを作れるとは、この黒胡椒と砂糖はこれ限りですか?」


「そうですね…」


ここでこれ限りと言ってしまったら今後売ることが難しくなりそうだし、かと言ってまだあると言ったらギフトのことがバレそうだし…どうしよう。


「とりあえず今のところはそれ限りですね、今後手に入れることが出来るかもしれませんけど」


無難にそう言っておいた。


「そうですか、それではまた手に入ったときには商業ギルドに是非卸していただきたく」


「分かりました」


「それではこちらの黒胡椒と砂糖の買取金額ですが、黒胡椒が350g、同じく砂糖も350g、そして黒胡椒の方が100g、3000ダル、砂糖の方は100g、8000ダルでいかがでしょうか?」


えーっと、合わせて38500ダルか、とりあえず仮入門証の5000ダルは返せそうだな。


「分かりました、それでお願いします」


「それではこちらの売買契約書にサインを」


そう言われ契約書にサインをする。


「はい、それではこちらが買取金額38500ダルになります。お確かめください」


トレーに乗っているのは銀貨が3枚、半分の銀貨が8枚、銅貨が5枚、なるほど、貨幣の価値はこれでなんとなく分かったな。


「はい、確かに」


「それでは、またのご利用お待ちしております」


そうして商業ギルドを後にした。


さて、このお金でまずは宿を探さないといけないけど、いまからでも入れる宿ありますかね?


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鉄貨 1ダル

半銅貨 10ダル

銅貨 100ダル

半銀貨 1000ダル

銀貨 1万ダル

半金貨 10万ダル

金貨 100万ダル

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