第6話
「あ、やったー!ちゃんと倒せてるよ!」
「おぉ上手いもんだな、あの距離から綺麗に頭を抜くなんて」
「レオナは弓の才能があるね」
草陰から出てきたのは3人組の男女だった。
人だ!人がいる!
思わず立ち上がってしまった。
「警戒体勢!」
すると驚かせてしまったのか警戒されてしまった。
「あぁすまない、驚かすつもりはなかったんだ」
「人…?なんでこんなところに?」
「俺の名前は金田大地、なんだかよく分からないけど気付いたらここにいたんだ」
「なぁアレン、あいつ怪しいよ」
「あぁライル、俺もそう思う」
「え?どうするの?困ってるみたいだけど…」
「何もしない、だからどこか人のいる場所まで案内してくれないか?」
「…どうするアレン」
「…俺は反対だな」
「えぇ!?そんな可哀想なこと言わないで送って行ってあげようよ!」
頼む、レオナとか呼ばれていた女の子、君だけが頼りだ、何とか説得してくれ!
しばらく3人だけでこそこそと話す。
そして
「分かった、街まで案内してやる、変なことはするなよ」
「本当か!?ありがとう!」
底の浅いところを渡り川の向こう側に渡る。
「よし、じゃあ戻るぞ」
と1人の男の子が方位磁針のようなものを取り出した。
「それは?」
「なんだ知らないの?近い街を指してくれる案内針だよ」
ほぉ、異世界にはそんなものもあるのか。
そのままその針の指す方に進む。
「お兄さんはなんで森の中にいるの?」
「それが分からないんだ、気付いたら森の中にいて」
「へー、不思議だな」
「あぁ、まぁギフトとかいうもののおかげでなんとか生き延びてはいるけど」
「お兄さんはギフト持ちなんだね」
「ギフト持ちって珍しいのか?」
「んー、そこまでじゃないかな、私も持ってるし」
「へー、どういうギフトなの?」
「弓が上手く扱える弓士ってギフトなの」
「だから弓を持ってるんだね」
「うん、さっきもゴブリンに上手く当てられたし」
さっきのゴブリンの耳が入った袋を掲げる。
そのまま雑談を続ける。
2時間ほど進むと前の方に光が見えてきた。
「ほら、外だよ」
言う通り外に出れたようだ。
「ありがとう3人とも、森の中で死ぬところだったよ」
「街まで行くんだろ、早く行くぞ」
と急かされる。
そこから30分ほど歩くと道が見えてきた。
「この道を向こうに行くとラライエの街だ」
「そっか、ありがとう」
ようやく街に着けそうだ。
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