第5話

朝、目を覚ます。


良かったぁ、寝ている間に何かに襲われてでもしていたら笑えなかった。


寝袋とランタン、テントを収納にしまい再び歩き出す。


今日こそは人に会うか森の外に出たい。


その前にまずは腹ごしらえ。


収納リストから惣菜パンを3個、タップして取り出す。


昨日の飲みかけの水もついでに取り出す。


うん、美味い。


そういや昨日はどっちから歩いて来たっけ?


やばい、忘れた。


こんなことなら昨日のうちに方位磁針か目印になるテープでも買っておくんだった。


1日遅いが、無いと困るので方位磁針を買う。


ちょっといい方位磁針(1480円)を購入。


よし、南に向かおう!


ということで方位磁針を頼りに南へと歩き出した。




3時間ほど歩くと水の音が聞こえてきた。


その水の音のする方へ向かうと川があった。


確か川があったら下っちゃいけないんだっけ?


でもそれって向こうの世界の話だし、こっちの世界なら大丈夫かな…?


悩んでいると川の向こう側から草を揺らす音が聞こえてきた。


人か!?


そう思いジッと見てみる。


すると草陰から出てきたのは…


全身緑色、醜悪な顔、小柄で着ているのは布切れ1枚、そして手に持つのは棍棒。


ファンタジー作品でよく見たけど、実際に見ると怖いなゴブリン。


向こうはまだこちらに気付いていないようなので息を潜める。


するとどこからかヒュンッという音がしたと同時にゴブリンの頭に矢が刺さった。


うおっ、ゴブリンの血って青色なのか、きもちわる。


そして草が揺れる。


次に出てきたのは…。

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