第4話 夏やすみ 朝顔

7月28日。朝顔が僕を呼ぶ。

『水をくれ。』

時空の声に従う。

学校校庭の水飲み場。青いじょうろに水を入れる。

歩くたびに水は揺れ左右からこぼれる。

平均が保てない。

重力に引かれ落ちる水。

花壇迄の100m。

双葉が叫ぶ。『時間を止めて運べ。』

僕は時間を止めた。

青いじょうろからこぼれる水も丸い水の結晶のまま宙にとまる。

僕は水をかき集めた。

花壇迄の100m僕はゴールした。

朝顔の双葉が僕に言う「ありがとう。少年。」


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