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海を見に行きたいと言ったのは蛍だった。
蛍は海を見て、そこで思いっきり泣きたいと思っていた。でも、蛍の住んでいるところから海まではかなりの距離があった。
そんなときに文さんに「夏休みになにかしてみたいこととかあるの?」と聞かれたので「海に行きたいんです」と蛍は言った。
「じゃあ、みんなでに海に行こう」と文さんは言った。蛍は文さんに「二人で行きませんか?」と言った。文さんは少し驚いたようだったけど、「わかった」と言った。そして予定をあわせて二人で海にいくことになった。
「私のわがままですみません」
「いいよ。別にさ。それに古木さんと二人で海にいけるのは嬉しいからね」と文さんは笑って言った。
それから二人は文さんの車(小さなワゴン車)で海まで一緒にいくことにした。
出発時刻は夜だった。
それは蛍が朝の夜明けの時間の海が見たいと文さんに言ったからだった。
夜の時間の平日の道はとてもすいていた。
高速道路に乗る前にコンビニによって買い物をした。高速道路に乗ってからは一度トイレのためにパーキングエリアによって、そこでコンビニで買ったパンとドーナッツと、新しく買ったコーヒーを車の中で食べて飲んだ。
「星、見えませんね」真っ暗な空を見ながら蛍は言う。
「天気が悪いからね。せっかく二人っきりで遠くまでいくんだから、天気が悪くてさ、星が見えないのは残念だよね」もぐもぐと口を動かしながら文は言う。
「そうですね」と小さく笑って一口だけ食べたドーナツを両手で持ちながら蛍は言った。
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