第9話 マサトーvsウィンストン・チャーチル
ウィンストン・チャーチルは考え直した。
(いや、待てよ、俺が石原裕次郎の野郎とポケモンBWで勝負なんか出来るわけないじゃないか、そうか、あそこはただの裏カジノだったのか。俺はいつからあそこに行ったのかな?)
marijuanaのやりすぎで麻痺した脳を動かしながらウィンストンは今度は葉巻をふかしていた。それはハマチを食べるのと同じくらい美味かった。しかしどうにも煙かった。
ウィンストンは行きつけの本屋に入った。
「大将!今日は何が入ってる!」
本屋は寂れて小さかったが、品ぞろえは素晴らしかった。古本の買取もしていて、大抵なんでもあった。
「バカがきやがった、俺は高級な店を作ろうとしてんだよ。……今日はなーんもはいりゃしねえよ、だが最近面白いことに……これは19の若者なんだがよ、先週ボードリヤールの『象徴交換と死』を買っていきやがった。それに今日さっき、バトラーの『ジェンダートラブル』も買っていったよ。あ、待て、さっきそういえばアドルノの『キルケゴール』を仕入れたぜ!お前これは読んだか?」
ハチマキをしてMETALLICAのRide the lightningのTシャツと赤と黒のシマシマのスカートを履いた丸坊主の親父がラーメンをレジで作りながら答えた。名前は佐藤・ホルクハイマー・マサトーという名前だった。彼は金儲けをしたいのと同じくらい高級な本屋を作りたく、本屋ではクオリティを重視し、副業でやってるラブホテルの運営では本気で運営していた。ウィンストンとは前世からの付き合いで、あれは確か古代ローマの時代から仲良くしていた。当時のことを回想してみようとすると、とんでもないページが飛ぶことになるのでここではやめておこう。
マサトーは大カトーの隠し子で、ウィンストンは猫だったのは間違いがない。
ウィンストンはマサトーに聞いた。
「ランボーの嫁って誰だい」
マサトーは青筋を浮かべて激情した!
「ふざけるな!それは決まってる!なぜわからんのだ!」
ウィンストンは思いの外この回答に驚いた、その後わざとらしく爆笑しながら心の中では悔しくて興奮していた、いつも早口だが...それ以上に早口になりこう答えた。
「じゃあ誰だってんだい!」
「決まってる、小林秀雄だ。」
話にならなかった。小林秀雄は男だった。小林秀雄は自分で言ってたじゃないか、女か酒だったか?タバコだったか?じゃないと安易に回らないって。じゃあ小林秀雄はレズビアンだったって言うのかい?そんなことありゃしねえ……。そうなのかい?マサトー。
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