第7話 EMINEMの新譜
花は何度か動こうとした。花は動けば、君は紫陽花だと言われた。いや、君は桜だと言われた。しかし花は君は風だと言われたかった。あの人と同じところに立ちたかった。見ることしか出来ない彼女にとって、あこがれに過ぎなかった。ある時終わりが見えてきた。桜は綺麗だ、そう言ってくれた人について行こうと考えた。あの人はどこに行ったのか。それは心残りだった。しかし、分からなかった。
EMINEMの新譜を聞きながらラム酒を飲んでいま練馬を歩くこの男はウィンストン・チャーチルと名乗る探偵だった。男は考えた。
(もし昔の俺が今を見たらなんて言うかな、うーん、わからん、そもそも俺はいつからこの世界にいるんだ??)
男は酩酊していて訳が分からなかった。しばらく歩くとまた竜巻が起こりランボーが現れた。
「未だか。」
「わかってるよ、嫁さんだろ?七里ヶ浜に行けば会えるよ。でもまだかかるんだよ、あんたも酒を飲むか?いや、あんたは欧州の水が欲しいんだったな、知ってるよ、ところであの女なんかで満足出来やしねえのか?痩せてるぜ。」
「痩せた女はわいせつかもしれない。しかし、私が求めるのはたったひとつの花なのだ。」
「ちぇっ!わかったよ!待ってろよ!ところで俺も結婚をしたんだ。」
「知らないな。俺はお前の友達じゃない、俺はただ膝に美を置いた。しかし決して美と寝て家庭を作ることはできなかった。そんな俺が言えることは無い。」
それだけ言い終わると銀髪の美青年はiQOSの煙と共に消えた。
iQOSの煙が現れるとウィンストンは意識を失いそうになった。
「畜生!!!!やめろって言ったじゃねえか!!!俺はこれだけはダメなんだ!畜生!畜生!」
しばらくすると喝采と共にドストエフスキーの講演が始まった。「あなたこそわれわれの聖者じゃないか!、予言者だ!」「天才だ!」声は止まらない。ドストエフスキーの恍惚とした表情はセックスを現していた。考えてみるとセックスというのは不思議だ……インターセックス……セクシュアルオリエンテーションが全てなのか?上野千鶴子はセックスを肯定するが……しかし……。浅原ナオトは偉かった……。浅田彰と同じくらい……。
50歳くらいのじじいの赤ちゃん喋りほど気持ち悪いものは無い、娘か孫か知らないが子供に話しかけながら歩く練馬在住の地元民がの子供と歩く声で意識を取り戻すとそのままコンビニに行き缶ビールと缶コーヒーとからあげクンとタバコを買って店員に秘密の暗号を唱えた。「田中角栄と石原慎太郎はどっちが偉かったと思う?」
ウィンストンが丁寧にそう聞くと店員は答える。「こちらでございます」
裏カジノへの秘密の扉が開いた。
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