第237話 転々転生

「いやぁ、死にましたね。」


あれ?

なんでまたここに来ているの?


「貴方ね、信仰が集まりすぎです。

使い切った神気、また神になれる程集まって居たみたいですよ。」


あら、すごいねそれは。

まぁ状況も特殊だったしね。

神に祈るしか出来ることなんて無かったんだから。


「それでも異常ですよ。

あの、貴方の婚約者の、アンヌさんでしたっけ。

彼女が先導した祈り続けた結果ですね。」


…そっか。

今僕は神なんだよね?


「ええ。

転生神ラルフですね。」


そっかそっか。

前世から今世、神から人、人から神だから転々転生だね。

転がってるねぇ。

よし!

寝る!


とりあえず何十年か眠りにつく事にするよ。


ほら、お父さんとかペリンさんとかレッドとか、知り合いが死んだ時に贔屓しちゃいそうだし、地上が気になりすぎるからさ。

ラルフィードさんは寂しいかも知れないけど、だったの5、60年くらいだからさ。

流石に何百年も生きるピリルルたちの寿命には合わせないから。

その後遊んであげるから、わがまま言わないで。


「言ってませんよ…。

そうですか、分かりました。


でもいいんですよ、あの時の仲間くらい贔屓しても。

ちょっとくらい恵まれた才能をもった次の人生にしたって私が文句を言わせません。」


いや、いいや。

あの人たちなら勝手に豊かな人生を送るでしょ。


知ってる人がいると、気になっちゃうしね、地上が。


そう言えば!

生き返す時に埋め込んでおいた龍神の才能、きちんと芽生えた?


「ええ、彼女が龍神を継ぎましたよ。

しかし、元々とんでもなく強い龍なんでしょう?

いいのですか、リリーディアが龍神で。


彼女が狂うと今回の比じゃ無いほどの被害が起きますよ。」


絶対大丈夫。

ピリルルやその子孫に迷惑かけるくらいなら自分で死ぬタイプだから。

そう言う意味では元から狂ってるし。


いざとなれば家猫の様に居なくなるだろうさ。


龍王をピリルルにした時点でリリーディアが龍神にしようと思ってたんだ。

真っ白で似合うしね。


心配は先代以上に龍賛に融通が効かなそうなくらいかな。


「ははは。

気に入らない願いは聞いてくれなさそうですね。」


ね。


じゃ!僕はそろそろ寝るよ。


知り合いが全員いなくなった頃にまた目覚めて、それからバリバリ働くからさ、許してね。


「ええ、世界を救った功労者ですから、それくらいのわがままは許しましょう。


おやすみラルフ、また会う日まで。

寂しくなりますね。」

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