第219話 ハローグッバイ
みえる!
みえるぞ!
知の暴れん坊ティナと力の暴れん坊リリーディアが自由に振る舞ってる我が家で、僕がジェシーとアンヌに気を遣って胃を痛めている光景が!
そしてたまに来るのかよく来るのかいつも居るのかは知らないが、知のジジイと力のジジイが勝手に僕を巻き込みに来るんだ。
え?
トランブレーさんってそんなにやばいのかって?
さっきフラッときてマッドマンセオリーを地で行く様な人だったよ。
要はティナそっくり。
こっちが真意を掴み損ねてる間に仕込みが終わってるタイプの人だったね。
動機もティナに似ていて、家族自慢をしたいだけだ。
それも巧妙で、医療教会の件も当然利用されていて、実利のあるイタズラを息を吐く様にする人だろう。
「初めましてラルフ、外にハゲを5人並べるからね。
従順なハゲにだけ、エリフサーを振りかけなさい。
そうすればどちらが上か分からせられますからね。」
初めましてからの会話の流れからしてこれ。
24時間戦えると言えば、本当に24時間戦わされそうだ。
やれそうならやれ、死にはしない。
そう言う方針らしい。
それと妖怪シャルルがセットでやってくるのは正直しんどい。
お父さんよく真面目に育ったな…。
反面教師にするにもちょっと…なのに。
そんな新婚は嫌だの回答になりそうな未来は変えたいけど、もう手遅れかも。
神様に家族仲をよくする能力かアイデアをもらおう。
あの人、妻が10人居たらしいからなんかあるでしょ。
そんな頼り方して今まで上手く行った事なんて一度もないけどね。
さぁ、覚悟を決めて教会から出ようとした瞬間、違和感が走った。
周りを見渡すと何人かは感じているらしく、キョロキョロとあたりを探っているので、実際起きたことだと理解できる。
まるで重さで世界が一回り小さくなったようだ。
…来ちゃったか。
寂しくなるよ、龍神さん。
免許返納は済んでるかな?
胸騒ぎの中外に出ると大歓声を受けたが、今はそれどころじゃない。
そう理解してる人もちらほらいる。
「ラルフよ…なんだ今のは。
感じたか?」
当然お父さんは感じるか。
うん、感じたよ。
「いやに冷静だな。
原因を知っているのか?」
おそらくね。
とりあえず逃げた方がいい。
出来れば遺跡に行けると生き残る確率が上がるはずだ。
魔法を通さないから。
広い遺跡を知っているならそこに避難して。
「…お前もくるのだろう?」
…。
物資を集めてすぐに向うよ。
お父さんもなるべくそうして早く逃げてね。
「…ふむ。
あまり無茶をするなよ。」
…うん。
幸い振り返れば世界一デカい教会だ。
予備は予備らしく大人しく待機させてもらうよ。
「お久しぶりですね、ラルフ。
お気づきでしょうが龍神が狂いました。
…寂しくなりますが摂理ですので仕方ないですね。」
うん。
そう言えばさ、前に僕が龍になりかけた時にヒラ龍にしたり新しい龍神が誕生するって話をしていたけど、そうしていたら問題は小さかったんじゃないの?
「あぁ、嘘ですからね。
無理ですよ。
神と龍は同格ですからそんなこと出来ません。
おどかしただけです。
出来そうでしょ?
出来たらこんな悲しい龍神を見る前にやってますよ。
古くからの友達なんだ、アイラハールトとは。
あ、龍神の名前ですね。
龍神アイラハールト。」
へぇ。
…なんか思ったより可愛い名前だね。
「メスですからねぇ。」
うっそー!
えぇ!?
「失礼ですよ。」
あ、はい。
すんません。
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