第192話 ヤイシャって犬?


久しぶりにこんな死に方したよ。


…。

んー?


…。

なんだ?


あ!

よしよしよしよし、違うよ!

リオンのせいじゃないよ!


僕が考えなしに射出したのが悪いんだ。

やめてよー

悲しい雰囲気出さないでよー


「めちゃくちゃ懐いてますね…。」


そりゃそうだよ。

預かった日から欠かさず磨いているし、何度も助けられてるから、寝る前には体力の限界まで魔力を注ぎ続けているんだから。


もう、愛犬か愛剣かわからないけど、愛情はジャブシャブ与えているんだよ?

ほら、前に話したかもしれないけど、犬を飼いたかったから、犬の見た目してなくても、犬だと思うともう!


もう!

ね?


はぁーかわいい!


「…ええ、仲が良いのなら、大変よろしいですね。」


仲がいい?

こっちは命がけの時だって助け合ってんだぞ!


パトラッシュ超えてるね!

リオンならルーベンスの絵の時に降りてくる天使を切り刻んで助けてくれるのさ!


「いや、あれは敵じゃないですって…。」


いいか、神様。

猫好きだろうが犬好きだろうが変わらない真理だ。

神様やってるなら覚えておけ!


飼ってる動物が一番かわいい。

はい、復唱。


「飼ってる動物が一番かわいい。」


はい。

ねー!

どんなわんこなんだかは知らないけど、どんなんでも最愛と言っていいね。


ヤイシャはなんか首の長い犬だったけど、この子もそんな感じなのかな。


ヤイシャって犬で良いんだよね。

なんかがっしりしすぎてるから、ウマ的な雰囲気もあるけど、耳がモサモサ垂れてるし、鼻が濡れてるし。

カカシャ達にも種族名なんて聞いた事なかったや、そういえば。


「いえ?

犬では無いですね。

神獣になった時に教会に名前を考えさせたんですけど、それがそのまま名前であり種族名です。

初めて会った時はヤイシャでしたけど、今は違うが正確ですね。


元は何の動物だったんでしょう。

詳しくなくて…すいません。


しかしその眷属のカカシャ達もヤイシャに準じて種族が変わりましたから、そっちを覚えるだけで良いのでは?」


なるほど!

たしかにね。


それで、ヤイシャの種族は何になったの?


「えーと…。

スパンデンルフチャリーチカランダンフルーですね。」


え?

なんて?


スパ…?


「スパンデンルフチャリーチカランダンフルーです。」


会った事ないけど、その人の作品をもう一つ知っているよ。

白い花の名付けと同じ人でしょ。


「おぉ!わかりますか?

美術に富んでいる女性で、そのセンスは周りも認めるところなのですよ!」


ふぅん。

教会の上層部に女性がいたんだね。


「えぇ、30歳くらいの女性で花を愛する淑女ですよ。


他は…確かに若い女性はその方くらいですね。」


…美人でしょ。


「え?

ええ、美しい…というより可愛らしい感じですよ。」


なるほどなるほど。

次の命名は公募にしたら良いと思うよ。

ほら、その方がパンダみたいに愛されるから。


「それはいいアイデアですね。

次からはそうする様に伝えましょう!」


これで平和は守られる。

おじいちゃん達に若く可愛らしい女性のセンスを否定するのは無理な話だ。


多分上層部に上がって来た時変な空気になったんだろうなぁ…。

変なサングラスかけてるおじいちゃんとか出て来たりして。


「あぁ、教皇が派手なローブを着ていた時期はありましたよ。」


…あぁ…。

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