旅 聖地と一味と聖女
第191話 マッハ2
生き返ると、全然知らないところだった。
あ、そうか、今回身体がないのか。
目撃者が多すぎて、その場に戻すのは不自然なのか。
とはいえ、ここはどこなんだ?
登った山は見えるけども…。
とりあえず移動しなくちゃね。
東に行けば問題ないと思うのだけれど、正確な位置がわからないから人がいたら聞こう。
ふふふ。
移動しなくちゃなんだよ。
今回の能力は風魔法だ。
無難イズベスト
これで水、土、風で3属性目の無難魔法だ。
土は花を咲かせる為に
水はリリーディアの電気を散らせる為に
今回は勿論空を飛ぶ為だ。
土魔法で自分を射出できる様になったんだから、どうにか風を操れば飛べるんじゃないかと思う。
龍達は飛んでるしね。
意味わかんない。
あのパワーと重量感で飛んでるの。
矛盾してるよ。
生物と別らしいけど、竜も似た様なもんだし、風魔法で飛べる方法はあるはずだ。
まずは落ちても死なない高さから始めないとね。
土魔法の柱で2メートルくらいの高さから飛び降りながら風を操る。
飛ぶ気満々で飛び降りたので、そよ風と共に地面に叩きつけられた。
…あれぇ?
揚力って…あぁ!そうだ。
羽がないと風が掴めないってね。
土魔法で軽い金属を狙って生成するが、この辺はアルミの含有量が少ない様だ。
そうなぁ、地面の性質でやれる事が変わるのは不便だもんなぁ…。
リオン、羽になってくれる?
おぉ!リオンに魔力を注ぐと見事に羽になってくれた。
やるじゃんリオン!
…低いところから始めても試すのに一瞬で終わっちゃうなぁ…。
滑空はもう出来るんだし、めちゃくちゃ高くても死ぬ事はないだろう。
地上30メートルくらいの柱から蹴り降りた僕は、リオンの羽に風魔法を送った。
スピードもある程度必要なので思いっきり飛び出したのだが、気づくととんでもないスピードで落下しているのに気がついた。
なんで?
口があばばってなる!
あ。
◆
「これは…自殺ですかね。」
違うよ!
飛ぼうと思っただけだって!
「なんでリオンを羽にしたんですか?」
え?
「え?」
…いや、リオンって軽いし、形も変える協力をしてくれるから都合がいいかと…。
「え?
…もしかして、リオンの…武器の特性を知らない…?」
…え?
いや、軽いし、すごく良く切れるから丈夫でしょ?
ほら、この世界の名剣ってタダでさえ身体能力を上げてくれる様なのに…あ。
「それですよ。
ラルフはもうリオン込みなら龍と殴り合っているんです。
それを纏って下に蹴り出したらそりゃマッハ2で地面ですって。」
…マッハ2?
幼稚園児みたいな単位だから逆にピンとこないよ。
地面までどのくらいの速さで叩きつけられたの?
「えーと、時速2500kmくらいだから…。
んー。
0.06秒とかですかね。」
はっや!
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