第120話 遺跡について

…遺跡は魔法が使えない?


「そうなんですよ。

もうなんとなく分かっているかと思いますが、いまこの世界は第三世界です。


一度文明が壊れ、もう一度は維持出来なくなり理が変わった、その後今の世界になったんですね。


第二世界の終わりに魔力が生まれました。


しかし第一世界の遺跡については魔力が馴染まなかった様なんですよね。


理由はあるのですが、説明するのは難しいのでそういうものだと思って下さい。


風が吹くとか火が燃えるみたいな摂理として捉えていただければ。」


なんとなく分かってなかったよ。

文明のチグハグ感は感じていたけど、それが何由来かなんて分からないもん。

魔法があるとこんなもんかで流していた部分も多いし。


はぁ、まぁ魔力がなんなのかよく分からないからね。

いいけども。


第一世界の遺跡には魔力がなく、魔法も使えないと。

それで魔法制御で飛行していたのがコントロール不能になって柱にぶち当たったと。


まぁ、それはわかったよ。


遺跡か…。

ピリルルを呼ぼうか。


しかし魔法が使えないのか。

危ないかもなぁ。


でも、とりあえず戻らなくちゃね。

狩の途中だし。


「能力は何にします?

しかしまだ旅立って数日なのに、もう旅人の才能を失うのですか。


たいして大変な旅程にもなっていないのに。」


いや本当だよ。

まだ旅と言えないレベルの小旅行ですらない、ピクニックレベルの距離なんだから。


昼に出て夕方までしか旅してないんだもの。

いや、序盤は計画を立ててたから昼に出たけど1日で終わるなら話が違うよね。


この後遺跡を探検することになるだろうから、それに役立ちそうな能力がいいよね。


絵を描く能力を貰おうかな。


記録を取ろうと思うよ。


「無難なところですね。


では、幸せを祈っていますよ。

ラルフ、旧遺跡は私もよく分かりません。

気をつけてくださいね。」


…さて、遺跡の場所はちゃんと覚えたし、先ずは狩をしないとな。


長が一つも持っていかないとか、情けないしね。


とりあえずパパッと遺跡を絵に描き、それに至急来て欲しいと書き記したあとに魔法が使えるくらい離れて空へと飛ばす。


いやぁ絵がうっまいな!


元々壁画みたいな絵しか描けなかったから、大成長だけど、上手さの中間みたいな時期がなかったので、変な感じ。


何はともあれ、これでピリルルが来てくれるだろう。


さぁ、獲物を探そう。


魔法を使えりゃこっちのもんだ。

ワンコ共め!


驚き過ぎて尻尾がミサイルみたいに飛んで行くくらいの獲物を捕まえてやる!


風でざっと精査すると、足跡が幾つか感じる。


なるべく大物がいいな!

でかい足跡もあるし、それを追って行けばいいだろう。


鼻がよくなくたって知恵を絞れば狩くらい出来るってんだ!


結果?

それはいいじゃない。

別に。

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