第29話 自己紹介

自己紹介はお父さんを通して、まず僕から始まった。

僕に関する容姿に関する懸念点も一緒に伝えてくれた。


「改めまして、私はララです。

屋敷での仕事は掃除、洗濯、わかりやすくまとめたら、皆んなの身の回りのこと全般って考えてくれたらいいよ。

よろしくね。ラルフくん。」


そう言って右手を差し出して来た。

…なんだ?

あ、飴ちゃん、本当にくれるのね。

ありがとう。

初めての異世界甘味だ。

いつから握っていたのだろう…ちょっと温かい。


「次あたしね。

シー。

名前はシー。

先生の魔法の研究の助手。

あとは屋敷の魔法が必要な道具の点検と充填。


先生が忙しい時はあたしが魔法教えるから、わからないことあったら聞きに来て、ね。」


ありがとうございます。

僕より少し上くらいかな?

大人組で一番年下に見える。


「おぉ、コイツが俺らの中で一番年上だぞ?

ぐぁ…!

…。

俺はぺぺ。

コックだな。

腹減ったら俺に言え。

他国から来たなら変わった料理知ってたら教えてくれな。」


大丈夫?シーさんの拳が鳩尾に入ってたけど…。

この中で一番年上…?

それなら若返ったお父さんより上に…?

やめよう、よくない。

よくないことが起きる気がする。


「ぺぺは神の花の名前の一部になった男だ、ぺぺの料理は美味しいぞ。楽しみにしてるといい。」


ぺぺぺぺのうちの2ぺぺがぺぺさんか。

フルで思い出せはしないけど。

じゃあ歴史に残る料理人なのか…。

凄いなぺぺさん。


「いや、丁度花を命名する回の晩餐会で料理長を務めただけだ。

タイミングだなタイミング。」


式典の料理長なんてすごいよ。

料理が楽しみだ。


「最後は僕ですね。

会計と家宰のルーベンスです。

よろしく、ラルフ。

恐らく基本的な教育は僕がすることになると思う。

ですよね、先生。」


「ああ、ルーベンスが国、歴史、会計。

私とシーが魔法と魔法道具そして宗教もかな。


家庭のことはルルに聞けば、全てわかると言ってもいいし、何が作ってみたかったらぺぺに聞いたらいい。

これからは家族だ、少しずつなれて仲良くなってほしい。」


ありがとう。

これからよろしくお願いします。


「私はタナ!

神様よ!

敬ってね!」


忘れてた…。


…!

神様?

この世界って神様一人じゃないの?


「あんたが知ってるのはラルフィード様?

じゃあ私は神様じゃないかも。

あんなに何でもかんでも出来ないし。


小さい神様?

なんて言ったら良いのかしら。

なんて言ったらいいと思う?」


あ、僕?

小さな神様か…。

精霊?


「精霊ね。

それでいいわ。

お供物は甘いものがいいから、よろしくね。」


勝手なこと言って!

そもそもどこに供えればいいのさ。


「私の石碑見てたじゃない。

あそこよ。当然でしょ?」


わがままチミッ子が…!

供えられて当然だと思うなよ!


「しょうがないじゃない。

力なんて見せられないわよ。

貴方死んじゃうもの。


私は死の神様。

違った、死の精霊なんだから。」


おぅ…。

物騒な精霊だ。

まぁ僕にとってはラルフィード様も死の神様といって差し支えないのだけれども。

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