第9話 神様からのご提案
「20分ほどですよ?大丈夫ですか?命をなんだと思っているんですか。」
次の能力を考えていると神様がそんなことを言って来た。
20分…?なにがだ?
「貴方が4回生まれ変わって死ぬまでの累計時間です。初めは15秒で宇宙へ、次に17秒で光速で宇宙へ、3度目は街まで辿り着きましたが入ることは出来ずに7分6秒、最後に魔力暴走で死んだ今回。
魔法陣を描いている時間が9分と11秒、呼び出してから死ぬまで2分25秒。
合計19分14秒です。」
…異世界生活全部合わせてもアニメ1話分にも満たないんだ。
それなのに4回もミンチになっているのか…
「神様にはこんな機会を貰ってとても感謝してるけど、能力が極端な気がするよ。
次は魔法の能力を貰おうと思ってたけど、やっぱりすぐ死ぬ気がする。」
どうやって死ぬかはわからないけどアクロバティックに死ぬんだろう。きっと。
「そこで神様考えました。
ラルフィード・サシュマジュクシュルルペペペぺ・チャチュムラッチャヌボンボ君を幸せにする能力を…ね。」
その名前で呼ばないで。
僕はラルフとして生きていくんだ。
「今回貴方には高い知能を授けようと思います。
死に直結する事はないでしょうし、これがないと困ったことがあることが発覚しましたので。」
困ったこと?
一体なんだろう…。
実際全然異世界のこと分かってないから困るも何もないんだけど…。
「ヤイシャが話し始めた時、貴方はノーリアクションでしたね。
ヤイシャが犬語か何かを話していると考えていた様ですが、あれはこの世界の言語です。」
えっ!
異世界言語を話せる様にしてくれるのサービスパックみたいなのに入ってないの?
じゃあ452cmあったとき本当にただのモンスターじゃない!
「ちなみにあの時発していた
オォーウィー
と同じ発音をする単語はこちらにもありますよ。
殺してやるって意味です。
勉強になりましたね。」
ただのモンスターじゃなくて凶暴なモンスターだった!
おーいって声かけただけなのに、向こうには大砲を弾きながら殺してやるって叫びながら走ってくる巨人だったんだ…。
怖…。
「よって知能の大幅アップを提案したいのですよ。今は話すことさえ困難な状態なので。」
神様から意見を出してくるなんて初めてだ。
ここは信じてみてもいいかもしれない。
信用はしてないけど信頼はしてるのだ。
「わかったよ神様。
生まれ変わった後に頂く能力は、高い知能にします。
今度こそ僕、幸せになるよ。」
神様は慈悲深い笑みを見せ、右手をかざした。
「ラルフィード・サシュマジュクシュルルペペペぺ・チャチュムラッチャヌボンボよ!
この世界で幸せになることを願っていますよ…」
いや、だからその名前やめてってば。
私はそう思いながら意識を沈めた。
恐らく何時もの教会の祭壇で目を覚ますことだろう。
はじめに検証したい事がいくつかある。
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