第4話 もしかしてまた召されました?
「ラルフィード・サシュマジュクシュルルペペペぺ・チャチュムラッチャヌボンボ、また死んでしまいましたね。今度の死因をお聞きになりますか?」
2度目となると少し慣れたがそんな簡単に人が死ぬなんてあって良いのだろうか。
しかしそれより先に聞いておかなければならないことがある。
「あの、すいません神様。
先に聞きたいんだけど、この名前って本当にこの世界で一般的なものなのですか?生き返る時と死んでここに来た時の2回聞いたけれど、最初のラルフィードまでしか覚えられないんです。脳が、受け入れないんです…」
怪訝な顔をした神様が少し考え
「問題ないはずですよ。貴方の世界に桜さんや松子さんなどが居たように、身近で親しみのあるものから名前を頂くことはよくある事です。
…でも少し長いですかね。
ではここではラルフと呼びましょう。神が名付けてしまったために、正式な名前は先ほどのものになってしまい2度と変えられはしませんが、簡単な名乗りや、会話の中での名前はラルフで問題ないので。」
2度と変えられない…?
不穏だけど名前自体は、ラルフと名乗ればいいし、もし苗字とか必要ならラルフ・ウィードって名乗ればいいか…
「…わかったよ。
命名ありがとうございます。
よく考えたら光栄なことだよね、神様に名付け親になってもらったんだから。」
僕がそういうと、神様は少し照れて嬉しそうだ。
なんなんだ一体。
ちゃんと解決はしてないのに。
「ところで、今回の死因はなに?
やっぱり目の前が真っ白になって何も覚えてないのだけれど…」
神様が人差し指をたてながら斜め上を向き、あぁなってこうなってと呟く。
少し待ったあとこちらに向き直りこう言った。
「ラルフ。貴方の死因は高速移動により、燃えながら引き延ばされ、全裸で頭を撃ち抜かれたことです。」
燃えながら頭を撃ち抜かれた…?
引き延ばされながら…?
…全裸…ね…全裸!?
言葉で聞いたところで理解が出来ない。
そんな様子を見た神様が詳細に説明してくれた。
高速で移動したことで空気摩擦で服と靴が消し飛び身体は耐えきれず引き延ばされ、偶然漂っていたカナブンのような甲虫が頭に当たり脳を貫通したとのことだった。
「目に写らぬほど、との事だったので光の速度を超える設定にしました。いやぁ、やばかったですね。
惑星が消し飛ぶところでした。
人間ほどの質量が超光速で動いことによる衝撃をなくし、無理なく光速へ移行するために高速移動発動中は貴方の質量を0に近くしたのですよ。」
…超光速か…
あまりに速すぎる。
死んだのはもう仕方がないとして、気になるところが残ってしまった。
「あの…死体って全裸なんですよね…?」
神様は僕の手を取って優しく言った
「安心して下さい。
ラルフの死体は重力を超越し、光速で宇宙の彼方に吹き飛びました。恥ずかしいことなんてないですよ。」
段々わかって来たぞ。
コイツ、雑でポンコツだ!
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