第3話 2度目の転生
僕はまた祭壇前にしゃがんでいる。
あまりに早い死に様に可哀想になった神様が別の能力で生き返らせてくれたからだ。
「15秒ほどで死んでしまったので、いっそ生まれ変わってないことにしますね。
本来生まれ出し全ての生き物は生まれた瞬間から意味が生じ、それが瞬きするほどの短い時間だとしてもどこかに影響を与え、そうして世界がまわるものです。
しかし、ふふっ、こんなに特殊な生まれ変わりをし、秒で爆発四散するなんてあんまりですので…」
神様が歯を見せて笑ったことは置いておいて、本当に助かったと言わざるを得ない。
彼の言う通り本当に神様との相性が良いようで、死んだ時にはどう言うことかはわからないが、この天界をを経由してしまうらしく、次回になにかで死んだ時もまた会えるだろうとのことだった。
が、生きている間は普通の人と同じく強く干渉はされず声も顔も直接見るようなことは出来ないだろうとのことだ。
「じゃあ神様、色々ありがとな」
会えるのはしばらく先になるな…
丸一日悩んだ時も親身になってくれたりキャッチボールをしてくれた彼を思うと少し寂しい。
「そういえば神様、生まれ変わったあとの僕の名前ってあるの?
この世界の常識を知らないし、あまりに浮く名前だったらずっと引きずることになっちゃうから、出来れば名付けて貰えないかな。」
そういう僕に優しく微笑み、神様は右手をあげた。
「確かにそうですね。
貴方には教会によく供えられている神聖な綺麗な白い花の名前を授けましょう。
さぁ、行きなさい。
ラルフィード・サシュマジュクシュルルペペペぺ・チャチュムラッチャヌボンボよ!」
え?
なんて言った!?
全然名前を聞き取ることが出来なかったが、ヤバそうな名前つけられたことを確信した。
多分普通の名前じゃない、まだ分からないけど。
問いただしたい、問いただしたいのに…。
くそっ意識が…!
外は前回と同じような薄暮の早朝といった様子で、遠くに見える門番以外見当たらない。
木にいる鳥はもう活動してしるらしく、小鳥のさえずりが聞こえる。
なんだ、良さそうな世界じゃないか。
「よし、今回もまずは試してみるか。」
今回僕が貰った能力は目に写らないレベルの高速移動だ。
これにはさほど迷いはなかった。
前回失敗してしまった瞬間移動の下位互換に思えるかもしれないが、4次元的で高度な演算能力を必要とせず、地続きなところを移動するため、宇宙空間に放り出される心配がない。
教会から街へ続く並木道が長く緩やかな坂道なのでここで試すのが良さそうだ。
うふふ、すごいスピードであらわれたら、門番の人ビックリするだろうな。
ハッ
気合いを入れて移動を始めたはずが目の前が真っ白になり、目の前にはまた困った顔の神様がいた。
すごいスピードで帰って来たからビックリさせてしまったかな?
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