7
『やはり鍵になるのは血の繋がりだ。
真祖は、己の血だけで吸血鬼を生み出すことができる。つまり分身のようなものだ。
その分身、真祖直系が更に分身を作ると、後天性が生まれる。
真祖、真祖直系、後天性。
この繋がりを断つには、
お前の身体の中に流れる吸血鬼の血に関しても、同じことが言える。
ただし真祖を殺したその瞬間に血が半分になるわけだ。当然、そのままだと死ぬ。
一旦、俺はリーヴェンに向かう。
医療魔術師が近くにいれば何とかなるだろう。明朝に着く』
「真祖を倒せば、元の身体に……」
当然、簡単な話ではない。真祖は
しかし、人間に戻る方法は存在するのだ。それは確かな希望だった。
「リディア……」
「……えぇ」
手紙を読んだユークは何か言いたそうにしていたが、リディアが微笑むのを見て、ほんの少し緊張を解く。
「良かった。方法はあるんだな」
「影の一族の
そもそも、真祖自身が人間の前に出てくること自体が珍しいのだ。奴らは眷属に血を運ばせ、それを糧としている。実際にどこに潜んでいるのかは知らないが、玉座から動かぬ王のように献上を待つだけの存在。
奴らが動くとすれば、それは眷属からの供給が十分ではなくなったとき。
「私の中に残る吸血鬼の血を、スコティニアは求めているわ」
──早く母の元へ帰っておいで
洞窟で聞こえたあの声は、スコティニアのものだ。
リディアと、影の真祖スコティニア。
血の繋がりは、ふたつの存在を引き寄せる。
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