7
リーヴェン校には、守護魔法が施された
設立以来、傷やヒビひとつ入らなかった、リーヴェン校自慢の
それが、粉々に砕け散った。
「…………ふぁ」
衝撃波によって尻餅をつき、そのまま後ろへ一回転をキメたファビアンが、泥で汚れた顔を上げた。
何もかもおかしかった。進行方向に人差し指を軽く向けただけ、詠唱はなかった。無詠唱魔術など、魔術師教団アマテラスの中でも可能とする人材は少ない。
「ごめんなさい。的のどこに当たったのか、分からなくなっちゃったわ」
『この的は特別製なのさ。これに焦げ目を付けられるのは僕くらいだ』
そう宣言して、長い詠唱ののち両手から放たれた
一連の流れを目撃したのは、屋外にいたリディアのクラスメイトだけではない。
その中に、リディアはすぐ驚く彼の姿を捉えた。ユーク・シュナイト。ユークもこのリーヴェン校に通っている可能性は当然頭にあった。けれどマレーヌの一件から徹底的に彼を避けていたせいで、確認する機会がなかったのだ。
(ほんとに、なんで先生はあの家とこの学校を選んだのかしら)
溜息とともに視線をそらし、口をあんぐりと開けたまま硬直している教師に声をかける。
「先生、
「な、な、何言ってるの! あれは先生たちが何年もかけて作り上げたものなの! それを、あぁ、なんてこと……」
実のところ、リディアは
──かくして、生徒たちが帰宅する頃には先代の強度を超えた
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