第17話

日記56ページ目

夏休みがあと3日で終わるというタイミングで天のタワーから帰宅した。

あと数日で夏休みは終わるが、もっと長期間の休みが欲しいところだ。

そうじゃないと天のタワーの探索に時間を使えない。

それでも今回の2階層の探索はなかなかに楽しめた。

次の長期間の休みは冬休みくらいだ。

出来れば、その時にもっと2階層の探索を行ないたい。

分身を天のタワーの2階に送り込んでいるが、どれだけ探索の経験を詰めるのか気になるところだ。



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明日から学校が始まる。

憂鬱だ。

けど、今回の夏休みでは多くの収穫があった。

天のタワーの1階層の攻略が終わったこと。

図書館にある基礎妖術指南書、記憶術基礎、気配感知基礎、水魔術初伝、火魔術初伝、風魔術初伝、土魔術初伝、無妖術初伝の8冊の教本の内容を理解した。

他の技術の練度を上げている分身以外の分身たちを総動員して、これだけの数の技術を取得したのは胸を張れるだろう。

実戦で確かめてみれば、どの魔術もそこそこの威力を持っていた。

魔術の練度を上げれば威力も上がるとは思う。

妖術はどうだったのかといえば、魔術の無魔術の魔法の霊力バージョンって感じだった。

威力的には妖術の方が少ない気がする。

そこは練度の差だとは思うが。

他にもあるが、今年の夏休みで1番の成果と言ったらこれだろう。

実体分身の分身の人数が30人に増えた事だ。

なんでここまで生命力・魔力・霊力が増えたのか分からないが、成長期で一気に育ったのかも知れない。

他に思い付くのは1階層の攻略が終わったことか、それとも多くの1階層のボスモンスターであるリザードを倒しまくったことしか思い付かない。

なんで増えたのかを探りたいところだが、明日からは学校があるせいで調べるのに時間は使えないだろう。



「はぁ、明日からの学校面倒くさいな。」


日記を書き終わった俺は明日のことを考えると憂鬱になる。

楽しめる授業も確かにある。

でも、それ以上に面倒くさいクラスメイトと組んでの天のタワーの探索はやりたくない授業だ。

なんで態々俺よりも弱い者たちと組む必要性があるのか分からないし、クラスメイトとのコミュニケーションがとにかく面倒くさいのだ。

行きたくないと思っても。

やりたくないと思っても。

どうしようもないから諦める必要があるのだろう。

明日のことを思えば思うほどに面倒くさく憂鬱になりながらも、俺はベットに横になって目を閉じるのだった。



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夏休み明けの学校ではクラスメイトが転校している者が数人増えていた。

何が理由なのかは知らない。

これで空いたクラスメイトの探索者パーティーに次の授業では入ることになりそうだ。



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探索者養成校でも体育祭があるみたいだ。

流石にギフトや魔術や生命力・魔力・霊力での強化を禁止にはするそうだが。

これは強制的に参加するしかないのは面倒だが仕方がないと諦める。

俺が出る競技は3つだけだが白組と赤組に分かれて行なう為、他のクラスとも一緒に練習をしないと行けなくなった。

面倒だけど頑張ろうとは思う。



日記60ページ目

今日は体育祭だった。

俺が出た種目は100メートル走、綱引き、騎馬合戦の3つである。

どの競技も放課後に練習した。

その成果があって100メートル走は一位に、綱引きは赤組が勝利した。

残念ながら騎馬合戦では最後まで騎馬は残ったのだが判定で白組の勝利になってしまった。

練習やクラスメイトや他クラスの生徒とのコミュニケーションは面倒だったが、思ったよりも体育祭は楽しかった。

これが来年再来年もあると思うとやっぱり面倒くさくもある。

それでも来年も再来年も実際にやってみたらきっと楽しいのだろう。

でも、放課後の練習を行なう場所が学校の訓練所だったこともあり、これからはようやく修行を行なえるようになったので、明日からの放課後は修行の再開だ。



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体育祭と続いて文化祭が行なわれるそうだ。

体育祭も楽しかったから、文化祭も楽しいのだろう。

でも、そんな事よりも強くなるのに俺は時間を使いたい。

今回は身体を必要以上に動かす必要はないから分身に任せようと思う。

体育祭の時とは違って身体を動かして鍛えるのには向かないからな。

分身たちが身体を鍛えても意味はないし、ここら辺でしっかりと身体を鍛えておこう。



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今日は文化祭当日。

A組のクラスの出し物はお化け屋敷だ。

俺が分身を使えることは流石に知られていることもあり、俺の分身にもお化け役として仕事をさせられた。

しかも本体である俺も参加しているのだ。

俺だけ人よりも多くの仕事をさせられているにも関わらず、俺が文化祭の時に貰えた休憩時間は他のクラスメイトと同じくらいなことが納得いかない。

本当にふざけた話である。

他人とやって行くのは本当に面倒だと再確認した。

そのせいもあって文化祭もそこまで楽しくもなかった。

来年や再来年の文化祭はやりたくもない。

そう思えるような文化祭だった。



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やっと冬休みになる。

帰省するのは12月30日にする予定だ。

明日から冬休みが始まる前に分身たちを総動員して冬休みの宿題をすべて終わらせた。

明日は天のタワーの2階層の探索をする為だ。

身体強化を行なって全力疾走をすれば、1日で天のタワーの2階層にたどり着くと思う。

一切休まずに走り続けられるのか、それが問題だがやれるはずだ。

今日は明日は早朝5時から家を出る予定だから早めに就寝する。



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早朝5時から出掛けて、夜の時間の10時に2階層の最初の町にたどり着いた。

道中では遭遇したモンスターとは一切戦わずにここまで来たのだが、本当に今日は疲れた。

ギフトの治癒魔法のお陰で明日は体調も万全になっているのだろうが、今日は本当に眠い。

だから日記はここでお終いにする。



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朝から万全の体調で2階層の探索を行なった。

分身に2階層の探索を行なって貰っていたのもあって初めての気はしない場所が多いが、それでも本体での2階層の探索は久しぶりだ。

油断せずに探索を続けてモンスターを倒していたが、やはり2階層でも苦戦するモンスターは現れない。

生命力・魔力・霊力を使った強化を無しにして、取得した武術系の技術をしようしなければ、2階層のモンスターが相手でも苦戦はするだろうとは思う。

だけど、それを本体でやる必要はないからしなかったけど。

12月29日までに寮に帰るのを考えながら明日からも探索をして行く予定だ。



「デカいな。」


二足歩行で立ち上がってモンスターではない普通の蜂の巣から蜂蜜を取って食べている熊のモンスターと遭遇した。

ああして立ち上がると、人間の身長を超えている熊のモンスターを見上げる。

まだ熊のモンスターは蜂蜜に意識が向いて気が付いていない。

これはチャンスだ。

俺は一気に熊のモンスターへと駆け寄って行き、拳に魔烈火を纏わせて火拳闘法一の技・火拳をクマの背中に向けて繰り出した。


「ぐぉおお!?!??」

「追撃だ。二の技・火打ち。」


拳に魔烈火を纏わした状態で握り拳を横に向けて振り抜いた。

背中の痛みで四足歩行に戻ろうとしているクマの横腹を魔烈火を纏う握り拳を打ち付けた。

クマの肉を打ち付ける感触を感じながら俺は更なる追撃をクマに繰り出す。

最後にこれがトドメになるだろうと繰り出したのは三の技・火槌だ。

握り拳を振り落としてクマの背中にある炭化した場所に命中する。

この一撃でクマは絶命した。


「ふぅ、勝った。」


クマに勝利した俺はクマのドロップアイテムを拾ってから、クマが食べていた蜂蜜のある蜂の巣を確認したが、どうやらこの蜂の巣から蜂蜜を取ることは出来そうになかった。

残念だと、思いながら探索を続けていく。

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転生日記 甲羅に籠る亀 @GOROHIRO

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