第7話
日記26ページ目
6年生になった。
今年は探索者養成校中等部に受験する為に勉強だけでなく、身体を鍛え、教本で覚えた技術を少しでも学習して練度も上げようと思う。
勉強以外は今の俺の身体能力や戦闘技術なら問題ないはずだ。
勉強も歴史問題くらいしか問題がないが、これならは少しずつ時間を使って覚えて行こうと思う。
それに実体分身の人数が10人になったら、1人は専属で高校卒業までの勉強を毎日して貰い中学や高校で習う内容を覚えて貰えば、今後の授業で他のことをしながら過ごせるようになるはずだ。
まあ、それをするにはまだ霊力の最大量を増やす必要があり、今だと8人しか分身は作れていない。
俺も含めた9人で様々なことを学習している。
今のところは分身1は生命力関連、分身2は魔力関連、分身3は霊力関連、分身4は身体操作技術、分身5は身体制御技術、分身6は歩行法技術、分身7は魔術、分身8は体術、分身9は剣術を行ない、俺も含めた全員が常に呼吸法の技術を行なえるようにしている。
そして俺はと言えば空間感知技術を鍛えている。
休日はこの体制で毎日何かあったりしない限りは行なっており、学校がある日は分身1、分身2、分身3のどれかの分身が俺の代わりに行ってくれている。
「はぁ、歴史系が危ないな。」
探索者を増やす為の学校な事もあって、出題される問題は天の
それまでの歴史は前世と変わらないままだが、俺が問題視している年代からの歴史問題は本当に不味い。
「受験の日は来年の2月だからまだ10ヶ月以上も時間はあるけど、少しずつ頑張ってかないとな。」
日記27ページ目
今日はこの日の為に貯めて置いたお小遣いとお年玉を持って隣街で開かれている蚤の市に1人で自転車を使って見て回った。
あの日、たくさんの教本を安く買えた日からこうして蚤の市が開かれる日には行けた場合は1人ででも行っている。
探索者が天の
値段としては1つ3000円となかなかの値段が、他の性能が良いアクセサリーは普通に何十万もしたりするので安いだろう。
でも安い分、才能が低くて能力の上昇値も1つで1%しかない物ばかりだ。
その為、こんな値段なのだが購入する人なんてほとんど居ないようだった。
そう言ったスペースも冷やかし半分で見て回りながら、生命力・魔力・霊力秘伝の教本が売られているスペースを見つけた。
生命力・魔力・霊力基礎の教本の次に進む為の技術が書かれているのが、生命力・魔力・霊力秘伝の教本だ。
値段は10万円もして小学生としてはかなりの高額だったが、今年の年始は親戚の集まりでお年玉を多く貰っていたから購入することが何とか出来た。
その代わり、生命力・魔力・霊力秘伝の教本だけしか、今回の蚤の市では購入することは出来なかったが、本当に良い買い物を今日はした。
ちなみに高い買い物をしたことで両親から特に母さんからお叱りを受けてしまった。
「あっ、これ!」
蚤の市を回っていると1つのスペースで売られていた教本に目が行った。
それは生命力・魔力・霊力基礎の教本の次の技術が書かれている生命力・魔力・霊力秘伝の教本だ。
それが商品説明に書かれている。
値段としては高くて1冊で10万円もしているが、この教本を今まで教本を市販で販売している店でも見たことがない。
ここを逃せば、また見つけるのは時間が掛かるはずだ。
それに生命力・魔力・霊力秘伝の教本をネットや市販で購入しようと思ったら、2、30万は値段が高い。
これはお買い得だが、値段が安いと怪しく思える。
「あの、これって本物ですか?」
「ええ、本物ですよ。」
「本物……。」
本物の生命力・魔力・霊力秘伝の教本だとしたらなんでこんなに安いのか。
俺のそんな疑問が顔の表情に出ていたのか、店主が俺の疑問に答えてくれた。
「ああ、なるほどね。なんでこの値段で売ってるのかは簡単だよ。大体、国に売ったとしても10万くらいだからね。私もネットで売ろうかと思ったんだけど、ああ言うのはちょっとね。だから、この値段で人を見て売るんだよ。」
「な、なるほど。」
店主の理屈に納得することにして俺は手持ちの財布と相談する。
今の貯めたお小遣いと親戚一同から貰ったお年玉を使えば、生命力・魔力・霊力秘伝を購入することは出来るが、そうなると今日は何も買えなくなる。
でも、ここで見逃せばここまで安い生命力・魔力・霊力秘伝の教本を見かけないかも知れない。
俺は少しだけ悩んでこれを購入することにした。
だけど、値段が高い買い物だからこそ、一応はこの教本が本物の生命力・魔力・霊力秘伝の教本なのかを確認してから購入することを決めた。
「ちょっと中を見ても良いですか?」
「ま、構わないよ。」
そして確認すれば内容的に間違いなく生命力・魔力・霊力基礎の続きの技術と思われる内容が書かれている。
これを見て、これは本物だと確信する。
「これ、買います!」
「毎度、それにしてもその歳でなかなかの魔力操作の練度だね。」
「一杯練習しましたから。」
そして俺は生命力・魔力・霊力秘伝の教本を手に入れることが出来た。
日記28ページ目
生命力・魔力・霊力秘伝の教本を呼んでから修行の内容を変更していた。
午前中は今までと同じ内容の修行を行なっているが、午後からは生命力・魔力・霊力関連の秘伝の教本に書かれた内容の技術取得に時間を使っている。
特に生命力・魔力・霊力を別の力へと変える技術は今後に必要な技術になるだろう。
生命力を使った闘気、魔力を使った魔気、霊力を使った霊気は一部しか読めなかった教本の内容を理解するのに必須な技術だ。
この技術の取得に生命力・魔力・霊力を消費してしまうが、これは早く覚えたい技術だからこそ、俺自身だけじゃなくて分身たちにも修行をやって貰っている。
分身たちが新しい技術の取得を頑張っている頃、俺は圧縮法という修行を行なっている。
圧縮法の修行内容は体内で生命力・魔力・霊力を圧縮することで出来た空白に生命力・魔力・霊力が回復して元に戻る頃に、圧縮していた生命力・魔力・霊力を戻すことで最大量を増やすという修行方法だ。
操作と制御の技術の練度が高くないと行なえない修行だが、この修行をする前と比べれば断然に最大量が増えているので消費法よりも頑張れそうである。
それに、これからは読めなかった教本の一部が読めるようになりそうなので、それも頑張って行こう。
「この修行を行なえば、今までよりも成長できる!」
生命力・魔力・霊力秘伝の教本に書かれていた圧縮法という修行で鍛えられるのは、生命力・魔力・霊力の最大量を増やすことだ。
消費法の修行法よりも最大量が増えるが、まあその分だけ修行の難易度が高いけど。
「ああ、でも霊力を増やすのはまだだな。早く霊力の制御技術の練度を上げないと難し過ぎる。」
生命力・魔力・霊力の操作と制御の技術が高くないと、すぐに圧縮していた力が解放されてしまう。
それに圧縮を解く時もゆっくりと少しずつ増やしていかないと最大量を増やす前に体外に自然に放出してしまうのも注意が必要なところだ。
キチンと生命力ならば肉体、魔力なら魔力を貯蔵している魔臓を、霊力なら霊体から放出しないようにするのは苦労する。
それでも最大量を増やすのは消費法よりも増えるので、これからは俺自身が頑張って行かないとな。
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