第6話
日記23ページ目
今年も何事もなく過ごした1年だった。
今年は実体分身の分身のお陰で今までよりも成長することが出来た。
これまでだったら、1つの技術を磨くのに他の技術もあるから1つ1つに掛けられる時間が少なくなっていたが、それもそれぞれの分身がそれぞれの技術を磨くことに寄って全体的に成長率が高い。
しかも途中でもう1人分の分身が出来るようになり、霊力関連の技術を磨く者が増えたお陰で霊力の感知と操作の技術を磨けた。
それと流石に放出系の技術の霊力放出の技術は分身にさせると、それだけで一気に分身の霊力が枯渇して消滅することになるので俺自身が行なう必要があるが、分身たちの行なってくれている霊力操作が鍛えられていたお陰ですんなりと取得する。
やっぱり霊力関連の技術を鍛える人数が2人に増えて実際には2倍じゃなくても2人分になったのは大きかったのだろう。
実体分身で霊力の消費をしていたが、霊力放出の技術の取得でこれからはより霊力の最大量を消費法の訓練方法で増やせるようになった。
「日記はこれで良いかな?」
「トオル、年越し蕎麦が出来たって!母さんが呼んでたわよ!」
「分かった!今から行くー!!」
年越し蕎麦が出来たみたいだ。
今日はちょっと夜ご飯が早かったから楽しみだ。今年も大きな海老の天ぷらがあるかな。
日記24ページ目
今日は家族で遠出することになった。
俺が暮らしている町は村と言っても良いくらいに人が居ない町だ。
そんな町だからこそ大きなデパートやショッピングモールがない。
だから町から離れてデパートやショッピングモールに出掛けるのはちょっとしたイベントだ。
その為、今日は分身たちが修行をしている間に俺自身は久々の遠出を楽しんだ。
デパートやショッピングモールを回ったり、外食をしたりと楽しんでいると近くで骨董市やフリーマーケットが合わさった物がやっていた。
デパートやショッピングモールに行くからとお小遣いやお年玉が入った財布を持っていた事もあって、フリーマーケットを見てみたいと伝えたら連れて行ってくれた。
売られていた物は古い物やアンティークなどの物から使われなくなった物やハンドメイドの物が多数売られていた。
その中に教本が売られているスペースがあり、その安さに思わず買ってしまった。
10冊の教本がたったの1000円で買えたのは本当に運が良かった。
他にも掘り出し物があるかと探したら、他の店でも教本が売られているところがあった。
流石にその店はキチンとした値段で売られていたが、既に持っている教本だったのでスルーしたが。
他の店を回っている内に気付いた事があった。
それは意外と探索者関連の物が多く売られていることだ。
流石に本格的な刃物のような武器は売られていないが、ちょっとした革製の装備品やアクセサリーなどが安い値段で売られている。
それが本物なのかを見抜ける目があれば転売してお金を稼げるくらいには安いと思う物が多数あった。
その中でも教本はお買い得な値段で売られている物もある。
どうやら安い値段の教本は探索者の中でも理解できないものや技術の取得が出来なかった物が多いらしい。
今回の買い物だけでも安くてお小遣いとお年玉を全て使い切ってしまったが、それでもまだ持っていない教本を合計で18冊も手に入ったのはラッキーだった。
でも、家族と合流した際にこんなに教本を買って戻ってきた俺は無駄遣いだと母さんから説教を受けることになってしまった。
最後に母さんに怒られた事以外は、この日は本当に有意義な1日だった。
「あっ、これって教本なんじゃ。」
色々と見て回っていると教本と思われる物がどっさりと置かれているスペースがあった。
値段を確認するとかなり安い。
これが本物の教本ならば、こんな値段で売られている訳がない。
でも俺が持っている教本と雰囲気が似ているのだから、ほぼ間違いなく教本だと思う。
この教本を雑に置いている店主?に聞いてみよう。
「あの、これって教本なんですか?」
「あ〜分からん。死んだ息子のだからな。」
「少し見ても良いですか?」
「構わないさ。」
教本の1冊に魔力を流して見れば、これは確かに教本だった。
他の無造作に置かれている教本と思われる本を1つずつ確認していくと、どれも魔力を通すことで読める教本だと発覚する。
その中でもまだ持っていない教本だけを選別していると、どれも持っていない教本でこよ10冊を購入しようと思う。
「これで何円ですか?」
「あ〜、1000円でいいぞ。」
「分かりました。」
俺は1000円を払って10冊の教本を手に入れることに成功した。
他にもあるスペースにも先ほどの教本のようなお買い得な物があるかもと、ウキウキしながら俺は蚤の市を歩いて行った。
日記25ページ目
この前にあった蚤の市で購入した教本を一通り読める教本は読み終えた。
教本の中には途中で生命力・魔力・霊力とも違う力が必要で、その必要な力は教本の中に書いてあり、途中で読めない教本に必要なのは○○気というものだ。
どうやら生命力・魔力・霊力を適量に混ぜ合わせ、独自の呼吸法を行なうことで発生する○○気を教本に流せば続きが読めるようになるそうだ。
生命力・魔力・霊力を混ぜ合わせる方法は基礎の教本には載っていない。
生命力・魔力・霊力基礎よりも情報が書かれている教本に書かれている情報が必要のようだ。
そして、18冊の中で読める本は5冊で、残りの13冊は途中で特殊な○○気が必要になるので完全に読めない教本になる。
まず読める教本はこれだ。
呼吸法基礎、身体制御基礎、空間感知基礎、基礎魔術指南書、基礎槍術指南書の5つ。
呼吸法基礎は呼吸に関しての基礎的な技術が載っている。
この技術は今後の○○気の取得に必須な技術と言っても良い。
身体制御基礎は操作の基礎とは違って身体の動きの制御に関しての基礎技術の書かれた教本になっている。
空間感知基礎は空間の認識能力を上げて一定の範囲を感知する技術の基礎が書かれている教本だ。
基礎魔術指南書、これは魔術の基礎技術を取得することが可能な教本で載っている情報は他の教本よりも内容が難しく、魔法陣や魔術言語に魔術式などの基礎が書かれており、魔法系ギフトと違って誰でも魔法のような現象を起こすことが可能になると書かれている。
基礎槍術指南書は基礎剣術指南書と同じで槍術の基礎的な情報や技術が書かれている教本だ。
残りの13冊はこれだ。
山壊剛拳法初伝、火拳闘法初伝、斬蹴気功法初伝、秘孔法初伝、秘孔法秘伝、流水剣法初伝、剛星弓法初伝、仙気気功闘法初伝、仙気気功闘法秘伝、仙気気功闘法奥伝、冥獄闘神法、万物破壊闘法、鍛治聖初伝。
この13冊は一部だけ読める教本と完全に読めない教本が混じっているが、半分は完全に読めない教本だ。
これからは読める教本の技術を学び、残りの一部だけ読める教本は読める部分だけでも、今後は学んで行こうと思う。
「んー、はぁ。これで確認が終わったな。それにしても教本の名前を見ただけでも読めないのは凄そうな物ばかりだったよなぁ。」
読める教本と読めない教本、それに更に分けて読めない教本の中でも一部だけが読める教本と完全に読めない教本とに仕分けが終わった。
「無くさないように仕舞わないと。これはそっちで、あれはあっちと。」
最後まで読めるのかを確認するのに俺自身が1日の時間を使って教本を確認するだけで、この日はそれだけで終わってしまうのだった。
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